フィンランド語学習記 vol.669 − vaikea, vaikeus
vaikea
フィンランド語で「難しい」は vaikea。
フィンランド語の語法書『Tarkista Tästä』で vaikea のページを見ると、次のような例文が出ています。
VAIKEA(adj)
vaikea + V 1. inf Oli vaikea löytää halpaa asuntoa.
Vaikeinta oli myöntää omat virheeni.
安い住居を見つけるのは難しかった。
最も難しいのは自分の間違いを認めることだった。
『Tarkista Tästä』P.147
vaikea +動詞の原形で「〜するのは難しい」の意味になります。
例文に出てきた vaikeinta は vaikea の最上級 vaikein の単数分格の形。
原級 | 比較級 | 最上級 | |
---|---|---|---|
単数主格 | vaikea | vaikeampi | vaikein |
単数分格 | vaikeaa vaikeata |
vaikeampaa | vaikeinta |
Vaikeinta oli myöntää omat virheeni.
この文でなぜ vaikeinta は分格になるのだろう?と考えてみたものの、すぐに答えは思いつきません。
vaikeus
フィンランド語で「困難」は vaikeus。
フィンランド語の語法書『Tarkista Tästä』で vaikeus のページを見ると、次のような例文が出ています。
VAIKEUS(subst)
vaikeus + V 1. inf Minulla oli vaikeuksia vastata kysymyksiin.
私は質問に答えるのが難しかった。『Tarkista Tästä』P.147
vaikeus +動詞の原形で「〜するのが困難」の意味になります。
vaikeuksia は vaikea の複数分格の形。
単数主格 | vaikea |
---|---|
複数分格 | vaikeuksia |
Minulla oli vaikeuksia vastata kysymyksiin.
この文でなぜ vaikeinta は分格になるのだろう?と考えてみたものの、すぐに答えは思いつきません。
まとめ
「難しい」を意味するフィンランド語の例文を見ていて、改めてフィンランド語の分格は難しいなあと思った、そんな話でした。
万が一、将来フィンランド語の達人になったとしても、分格だけは100%理解できないのではないか。。。そんな感覚があります。それはそれで仕方がないことだとは思うのですが。
12月 12, 2018 @ 21:32:21
こんばんは、久しぶりにコメントします。
今回の投稿を拝見して「あれ?」と思ったことがあります。
この構文の形容詞は単数分格で、よく使われるものについては主格と記憶していたからです。今回”vaikea”が主格で使われていたので、もう一度手持ちのテキストを確認してみました。
すると、例文に”Tätä on vaikea/vaikeaa käsittää.”とあり、どちらも使えるように書いてありました。ikävä, hauska, helppoを使った例文も同様でした。逆にhyvä, parempi, kivaを使った例文は主格のみ、parasを使った例文は分格(parasta)のみでした。
これは、はじめ単数分格でなければならなかったものが、長い年月とともによく使われる形容詞で単数主格が受け入れられるようになったのではないでしょうか。そして、今回の投稿でWhitebeerさんが引用したテキストは、とうとうvaikeaも「よく使われる」として認めたのではないでしょうか。
こんなふうに考えてみました(一笑に付してもらって良いですよ)。
12月 15, 2018 @ 01:30:20
Juokseva Nipsuさん
面白い話題をありがとうございます。
こういう構文では分格が基本形なんでしたっけ? そんなことは全然考えずに書いていましたね。。。とはいえ、分格の場合と主格の場合があるというのは気になります。専門的なことはわかりませんが、Juokseva Nipsuさんの説は有力なのではないでしょうか?
日本語でも「ら抜き言葉、さ入れ言葉を認めるか?」という議論があるように、フィンランド語にも意見が分かれるような表現の揺れというのはあるんでしょうね。ただ学習者としては「この形容詞は分格だけど、この形容詞は主格」なんて言われたら、もうお手上げです。まさに Tätä on vaikea/vaikeaa käsittää! ですね。