フィンランド語学習記 vol.675 − 頭が痛い

フィンランド語教室のテキスト『suomen mestari 2』にこんな文が出てきます。

Kun Hanna aamulla heräsi, hänellä oli huono olo. Päätä särki ja hänellä oli nuha ja kurkkukipua.

ハンナは朝起きたとき、具合が悪かった。頭が痛く、鼻風邪の症状と喉の痛みがあった。

この中で面白いなと思ったのが päätä särki という表現です。

フィン
pää head
särkeä ache 痛くする、痛む

 

「頭が痛かった」なら pää särki でよさそうなところ、本文では päätä と分格の形になっています。

これはなぜだろう?としばらく考えて päätä は動詞 särkeä の目的語であるということに気が付きました。

つまり日本語のように「頭が痛む」ではなく「頭を痛める」という他動詞の表現になっているんですね。

日本語ネイティブとしては、壁に頭を打ち付けたならまだしも、体調不良で頭が痛いと言うときに他動詞を用いるのはちょっとした違和感があります。

逆にフィンランド語ネイティブが日本語を学ぶときには、

「頭が痛い?」

「頭を主語にするなんて、違和感があるなあ」

なんて思っているのかもしれません。

もしそうだとしたら、そのあたりの感覚について一度じっくり話し合ってみたいところです。