雄々しい、女々しい

男らしい、女らしいという考え方が批判される社会。世の中がジェンダーフリーの方向へ進むことには基本的に賛成ですが、日本語にはそんな考え方と真っ向から対立するような表現も数多く残っています。

例えばこんな表現。

おおしい[雄々しい・▽男々しい](形)

(男らしくて)勇ましい。

「ー山容」

(↔女々しい)

「三省堂国語辞典 第七版」

めめしい[女々しい](形)

男でありながら(女のように)〈弱々しい/いくじがない〉。

「ー男だ」

(↔雄々しい)

「三省堂国語辞典 第七版」

雄々しいが褒め言葉なのに対して、女々しいはいわゆる貶し言葉。

現在の基準に照らせば、男尊女卑的と言われても仕方ないでしょう。

また雄々しいが人間以外のもの(例文の山容など)にも広く使われるのに対して、女々しいは主として人間の男性に使われます。

そのこともある意味では男尊女卑的と言えるのかもしれません。

言葉表現におけるジェンダーというのはなかなかややこしい問題です。このような表現に接すると「女々しくたっていいじゃないか!」と言いたくなるのですが、そういう問題ではないんですよね。

 
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