少年は/父は学校にいる
『フィンランド語文法ハンドブック』をもう一度頭から順番に読み直しています。
この本は今までリファレンス的に使っていたので、頭からきちんと読むのは初めて。
そのため改めて読むと「そうだったのか!」と思う部分も多いです。
例えば内部格と外部格の違いについて説明した次の部分。
koulu 「学校」など、ある目的を持つ組織を表す語も内部格と外部格になる場合があります。それらの本来の役割について語る場合には内部格になります。
Poika on koulussa.
少年は(生徒として勉強するために)学校にいる/通っている。
Isä on koululla.
父(isä)は(何かの用事で)学校にいる。
「フィンランド語文法ハンドブック」P.40
フィンランド語では格語尾の変化によって学校にいる目的の違いを伝えることができるんですね。
考えてみると、これに類する表現は英語にもあります。
The boy is at school (in school).
少年は学校にいる(勉強している/生徒である)。
少年は学校にいる(勉強している/生徒である)。
My father is in the school.
父は学校にいる(建物の中にいる)。
父は学校にいる(建物の中にいる)。
英語ではこの場合、冠詞の有無によって学校にいる目的の違いを伝えています。
では、これに類する表現は日本語にもあるでしょうか?
??
しばらく考えてみたものの思い当たらず。さきほどの例文も日本語では両方「学校にいる」と訳すのが自然でしょう。
つまり日本語において通常この違いは意識されていないということ。
それだけにこのようなケースにおけるフィンランド語の格変化や英語の前置詞の使い方は日本人にとって難しいのかもしれません。