フィンランド語学習記 vol.763 – ことわざのようなもの(1)
フィンランド語教室のテキスト『suomen mestari 4』の練習問題でフィンランド語のことわざ(?)のようなものがいくつか取り上げられていました。
Haukkuva koira ei pure.
Ei makaavan kissan suuhun hiiri tule.
Ei kysyvä tieltä eksy.
Etsivä löytää.
Kyllä tekevälle työtä riittää.
Tekevälle sattuu.「suomen mestari 4」P.38
この章は「分詞」がテーマなので、各フレーズの中に能動現在分詞[-vA]が含まれています。
以下に一つずつ見ていきたいと思います。
Haukkuva koira ei pure.
haukkuva は「吠える」を意味する動詞 haukkua の能動現在分詞。
ei pure は「噛む」を意味する動詞 purra の三人称単数否定形。
フィン | 英 | 日 |
---|---|---|
haukkua | bark | 吠える |
purra | bite | 噛む |
そのまま訳すと「吠える犬は噛まない」となります。
英語にも同じ A barking dog seldom bites. ということわざがありますね。
実力のない人に限って口やかましいというような意味でしょう。
Ei makaavan kissan suuhun hiiri tule.
makaavan は「横たわる」を意味する動詞 maata の能動現在分詞 makaava の単数属格[-n]の形。
フィン | 英 | 日 |
---|---|---|
maata | lie | 横たわる |
suu | mouth | 口 |
hiiri | mouse | ネズミ |
この文は語順がやや複雑。意味が通るように訳せば「ネズミは横たわるネコの口の中には入らない」となります。
ただそこにどのような教訓があるのか、いまいちよくわかりません。
「君子危うきに近寄らず」のような意味なのでしょうか??
Ei kysyvä tieltä eksy.
kysyvä は「尋ねる」を意味する動詞 kysyä の能動現在分詞。
ei eksy は「(道に)迷う」を意味する動詞 eksyä の三人称単数否定形。
フィン | 英 | 日 |
---|---|---|
kysyä | ask | 尋ねる |
tie | road, way | 道 |
eksyä | get lost | (道に)迷う |
フィンランド語の分詞は名詞の役割を果たすことがあります。よって kysyvä を「尋ねる人」と解釈すれば「(道を)尋ねる人は道に迷わない」となります。
日本語の「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」に近いニュアンスの言葉なのかなと想像しました。
ひとこと
ここまででようやく前半終了。
結構な時間がかかってしまったので続きは次回にまわします。