フィンランド語学習記 vol.766 − ふたたび päästä について
フィンランド語の päästä という動詞には「行く」と「離れる」という意味があります。
Pääsitkö yliopistoon?
あなたは大学に行きましたか?Pääsimme suomen kurssille.
私たちはフィンランド語の授業に行きました。Milloin pääset työstä kotiin.
あなたはいつ仕事を終えて家に帰りますか?Pääsimme kurssilta klo 12.
私たちは12時に授業を終えました。「Tarkista Tästä」P.112-113
後続の名詞が入格や向格なら「行く、着く」、出格や離格なら「離れる」というイメージ。正反対の意味を同じ動詞で表すなんてややこしいと思っていました。
しかし先日『パスポート初級フィンランド語辞典』を見ていたら、こんな例文が目にとまりました。
Minä pääsen kokouksen.
私は会議に出られる。Hän pääsee työstä kello 6.
彼女は6時に仕事から出られる。「パスポート初級フィンランド語辞典」
あっ!と思ったのは「出られる」の部分。これを見て日本語の「出る」という動詞にもフィンランド語の päästä と同じように「行く」と「離れる」という意味があることに気付きました。
「に、から」のような格助詞によってその意味が決まるという点も päästä と同じ。
この対応関係に初めから気付いていたら、päästä の用法がややこしいなんて思うことはなかったのかもしれません。
外国語として日本語を習っている人も「出る」という動詞に同じような違和感を感じているのでしょうか?
7月 10, 2019 @ 08:53:45
質問です。
Pääsitkö yliopistoon? → あなたは大学に行きますか?
過去形ですから「行きましたか?」ですね。
これはどのような場面をイメージして,こう訳されたのですか?
7月 12, 2019 @ 22:52:55
Jussiさん
ご指摘ありがとうございます。過去形でしたね。
日本語で「大学に行く」と言うと単に「用事で行く」という意味と「大学生として通う」という意味がありますよね。この場合は後者なのでしょうか?
7月 15, 2019 @ 10:32:07
いえ,後者でもありません。
これは,大学に入れたか,入学できたかという意味です。
päästä は,
1a. saavuttaa jokin paikka
1b. onnistua tulemaan jonnekin
2. vapautua
等の意味がありますが,場面場面でいろいろな言い方があります。
(例)
Köysi pääsi irti ja vene karkasi. ロープが解け,舟が見えなくなった。
Kirjoitukseen pääsi muutamia lyöntivirheitä.
原稿にいくつかタイプミスがあった。
Häneltä pääsi riehakas nauru. 彼は大声で笑った。
Keneltä pääsi pieru? 誰がおならした?
Hän pääsi tänään pois sairaalasta. 彼は今日退院した。
Yritin päästä veloistaan. 彼の借金を肩代わりしてあげた。
Olen yrittänyt päästä eroon vanhasta kalustostani.
古い家具を移動(模様替え)してみた。
Pojat pääsivät pelkällä säikähdyksellä. 男の子たちは怖くなった。
Pääsin isän ja äidin kanssa matkalle. 父と母と共に旅行に出かけた。
Pääsin ylioppilaaksi. 私は高卒試験に合格した。
Pääsin opiskelemaan yliopistoon. 勉強するため大学に入りました。
Pääsimme onnellisesti perille. 幸いに目的地に着いた。
Pääsimme tavoitteeseemme. 私たちは目標を達成した。
Pääsimme yhteisymmärrykseen. 私たちは合意に達した。
Nyt on päästy jo näin pitkälle. もうこんなに遠くに来た。
En pääse enää kävelemään. これ以上歩けない。