フィンランド語の隣人「エストニア語」を少しだけ訪ねてみる

Kalle Id / CC-BY-SA-3.0

フィンランド語は、北ヨーロッパの言語の中で、ひとつだけ別系統に属する言語であると言われています。

例えばスウェーデン語とノルウェー語の母語話者はおたがいの言葉をある程度理解できるらしいのですが、フィンランド語に限っては、そういうことはないようです。

そのことや文法の複雑さもあいまって「悪魔の言語」などと呼ばれることもあるフィンランド語ですが、言語的に全く孤立しているという訳ではなく、もっとも近い言葉の一つにエストニア語があります。

エストニアの首都タリンは、ヘルシンキからフィンランド湾を挟んでわずか80km。フェリーで3時間ということで買い物で訪れるフィンランド人も多いのだとか。

実際、エストニア語とはどんな言語であるのか? 何だか気になったので、フィンランド語のとっかかりに使った iPhoneアプリ「Euro Talk」のエストニア語版を購入。単語をいくつか比較してみました。

 
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全然似ていない。。。しかも[o]の上にくねくねが乗っている文字が初登場。スペイン語/ポルトガル語に見られる文字ですね。調べたところ鼻音を表すマークで「チルダ/ティルデ」と呼ぶのだそう。

フィンランド語と似ている単語はないのかなと調べていくとありました。

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「緑」など似ていない単語もありますが、おおむね似ています。これなら初見でも相手の言葉を理解できそうですね。そして数の単語はさらに似ています。

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それにしても、このように言葉が似ている隣人がいるというのは楽しいことではないでしょうか。日本語は言語系統としてほとんど孤立語であるため、お互いが自分の言葉を話してわかりあえるような関係の隣人は残念ながらいません。

しかし書き言葉に限っては漢字の使用という点で中国語は隣人と言えるかもしれません。数年前、韓国に行ったときは看板など街中の文字がまったく理解できず心細い思いをしましたが、その後、台湾に行ったときは少しは文字が理解できるので安心感がありました。

目に入ってくる文字が少しもわからないというのは、それだけでかなりストレスになるものです。

そんな訳で言葉の隣人がいるということは心強いことだというお話でした。