フィンランド語学習記 vol.156 − オリンピックは大変

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フィンランド語教室56週目のレポート。
この日はフィンランドへ行ってきたクラスメイトの話を聞いたり、トーキョーノーザンライツフェスティバルの話をしたり、ソチ・オリンピックの話をしたり。
フィンランド語で「オリンピック」は olympialaiset(オリンピアライセット)。
この単語、フィンランドの人にとっては発音がなかなか大変なのだとか。
なぜ??
olympialaiset の一文字目には[o]、三文字目には[y]の文字が入っています。この二つの音は、フィンランド語の発音においては相性がよくありません。
フィンランド語の母音は、次の1〜3のグループに分かれます。
1 | a o u |
---|---|
2 | e i |
3 | ä ö y |
*フィンランド語の[y]は母音。
このうち1と2、2と3のグループは相性がよいのですが、1と3のグループは相性が悪いため、原則として同じ単語の中で使うことはできません。
例えば、
käyttää(使う)
のように、一つの[a]に点々が付いたら、すべての[a]に点々が付きますし、
antaa(与える)
のように、点々が付かないときは一つも付きません。
このルールに沿って、 さきほどのオリンピック(olympialaiset)を検証すると、例外的にグループ1の[o]とグループ3の[y]が混在しているので、発音が難しいのだとか。
つまりフィンランドの人が発音すると、
olympialaiset
ではなく、
olimpialaiset
または、
ölympialaiset
のような音になってしまうのでしょう。
[a, o, u]を中心に発音しているときと、[ä, ö, y]を中心に発音しているときに、違う回路を使っているという感覚はなかなか想像できません。
olympialaiset のような単語が出てきたときに「こんな単語発音できないよ!」と思えるようになったら一人前なのかもしれません。