フィンランド語学習記 vol.178 − 書店から地図を買う

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Pekka on Suomesta.(ペッカはフィンランドから来ています。)
*Suomi(フィンランド)
*Suomi(フィンランド)
Suomesta の語末に付いている[-sta]は、「〜から」を意味する格語尾。
[主格]Suomi(フィンランド)
[出格]Suomesta(フィンランドから)
[出格]Suomesta(フィンランドから)
しかしこの出格の形は、思いがけないところで登場してくることもあります。
例えば、先日のフィンランド語教室で読んだスキットには、次のような文が出てきました。
− Mistä minä voin ostaa Suomen kartan?(フィンランドの地図はどこで買うことができますか?)
− Kirjakaupassa tietenkin.(もちろん書店で。)
*voida(できる)、ostaa(買う)、kartta(地図)
− Kirjakaupassa tietenkin.(もちろん書店で。)
*voida(できる)、ostaa(買う)、kartta(地図)
これらの文をよく見ると、冒頭の単語がそれぞれ出格の形になっています。
[内格]missä(どこで)
[出格]mistä(どこから)
[内格]kirjakaupassa(書店で)
[出格]kirjakaupasta(書店から)
[出格]mistä(どこから)
[内格]kirjakaupassa(書店で)
[出格]kirjakaupasta(書店から)
日本語だと、本は「書店で」買うため、内格[-ssA]を使いたくなります。
しかしフィンランド語では、本は「書店から」買うということで、出格[-stA]を用いるのだとか。
よってさきほどの会話も逐語訳をすれば「どこから買うことができますか?」「書店から」という形になっています。
「書店から」買うというのは、論理的に考えれば何らおかしな表現ではないのですが、とっさに出てくるのはやはり「書店で」の方。
このあたりは徐々にインプットを増やして、慣れていくしかないのでしょう。
ただこういった細かな表現の違いを味わうことも、語学の楽しみの一つなのかなと思います。
4月 18, 2014 @ 11:35:38
そうなんですよね。私もそういう場面によくぶつかって、「これは慣れるよりしょうがないのかな」と思っています(と、いってもなかなか慣れないのですが…)
今日も、こんな文を見つけました。
Helsingin Sanomat のウエブページを見ていて、その連載漫画のひとこまから引用しますが、
例文 Misse hukkui puroon!(Misseが川で溺れた)
「川で」だからpurossaでないの~と思ったらpuroon(川へ)でした。おっしゃるように、こういう表現の違いを見つけるのもおもしろいですね。
4月 20, 2014 @ 00:32:17
なるほど! 川へ溺れるというのはおもしろい表現ですねー。
その言い方だと、何となく自分から川へ溺れに行っているような響きがありませんか。(不謹慎?)
これからまだまだ新しい表現が出てきそうなので、コツコツ覚えていきたいと思います。また教えてください!
4月 20, 2014 @ 22:11:19
ostaa (買う)という動詞は,対価を支払って所有権を移す行為ですから出格(jostakin)または離格(joltakin)になる,と考えればいかがでしょう。
またhukkua (溺れる,沈む)は,入格(johonkin)または向格(jollekin)を要求する動詞です。
どちらの動詞も物や人がAからBへ移動することを表現してますので上記の格を使うと考えるのが合理的ではないでしょうか。
4月 22, 2014 @ 21:53:33
フィンランド語ってこの「イメージ」が重要なんですよね。
格や語尾でいろんな物事や情景を表してしまうところが面白くもあり難しいところでもありますね!
今私が習っている「MA不定詞」でも-maan/-mään 入格 で
「oppia puhumaan suomea フィン語を話すことを学ぶ」 というのは イメージとして「話す」に「入っていく」感じなので入格なんだそうです。
出格 -masta/-mästä で「tulin syömästä」など日本語では訳せないです(-_-;)
食べから来た=(レストランかどこかで食べて、そこからやってきたって感じ?)
やっかいだけど、とても興味深いですね。
4月 24, 2014 @ 00:46:43
Jussiさん
なるほど、そのように考えるとわかりやすいですね。日本語の「買う」という動詞自体にはあまり移動する感覚はないので、買うというより「買い取る」イメージでしょうか。
nitecokatuさん
まだまだ他にも面白い(やっかいな?)例があるんですね。おっしゃるとおり、フィンランド語のイメージを大切にしながら、一つずつ覚えていきたいと思います。
「MA不定詞」はまだきちんと習っていないのですが、今日のフィンランド語教室でようやく「入格」を習いました。まずは内部格と外部格をきちんと使えるようになりたいものです!