フィンランド語学習記 vol.298 − 複数語幹の作り方(3)

photo credit: apples from below via photopin (license)
一昨日・昨日のエントリーで「複数語幹の作り方」を一通りまとめました。
フィンランド語学習記 vol.296 − 複数語幹の作り方(1)
フィンランド語学習記 vol.297 − 複数語幹の作り方(2)
今回はそこで扱うことができなかった例外的な変化について、触れておきたいと思います。
1)単数語幹を作る際、語尾の[-si]が[-te]に変化する単語
これまで複数語幹を作るときには「単数語幹の末尾に[i]を付ける」というのが通常の手順でした。
ただし単語によっては、この「単数語幹→複数語幹」という手順を踏むことができないものも存在します。
それは vesi(水)のように、単数語幹を作る際、語尾の[-si]が[-te]に変化する単語。
vesi(水)
[単数語幹]vete
[複数語幹]vesi
[単数語幹]vete
[複数語幹]vesi
この場合は、単数語幹と複数語幹はつながりのない形になっています。
とはいえ、このパターンにおいては、辞書形がそのまま複数語幹になるので、改めて別の形を覚える必要はありません。
これは簡単なのか? 難しいのか? 判断に困ってしまいます。
2)omena
フィンランド語で「リンゴ」を意味する omena は複数語幹の形を二つ持っています。
omena(リンゴ)
[単数語幹]omena
[複数語幹]omenoi, omeni
[単数語幹]omena
[複数語幹]omenoi, omeni
こういった例外自体はおそらくどんな言語にもあるもの。
例えば、英語の複数形にも、
cactus(サボテン)
[複数]cacti, cactuses
[複数]cacti, cactuses
のように二種類の複数形を持つ単語があります。
ただ少し気になるのは、なぜそれがリンゴなのだろう?ということ。そればかりは謎。
以上、今回は複数語幹を作る際に例外的な変化を伴うケースを二つ拾ってみました。
こういった例外というのは、外国語を学ぶ上でやっかいなものでもあり、同時におもしろいものでもあります。
せっかくなので、楽しみながら覚えることができたらよいですね。