That’s one small step for (a) man, one giant leap for mankind.

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日本語を学ぶ英語ネイティブにとって最大の難関が漢字や敬語の使い方だとすれば、英語を学ぶ日本語ネイティブにとって最大の難関は冠詞の使い方ではないでしょうか。
かなり熟練した学習者であっても(特に話し言葉において)冠詞のミスをなくすのは至難の技だと思います。
ただし英語ネイティブなら絶対に冠詞の使い方を間違えないのかといえば、そんなことはありません。
英語ネイティブによる冠詞の間違いとして最も有名なものにアポロ11号の船長で人類初の月面着陸に成功したニール・アームストロングの次のフレーズがあります。
That’s one small step for (a) man, one giant leap for mankind.
(これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である。)
このフレーズが引用されるとき、多くの場合は man の前の不定冠詞 a に括弧が付いています。
これはアームストロング船長が実際の発言で a を抜かしてしまったため。
上記のスピーチにおいては、mankind(人類)と a man(一人の人間=アームストロング)を対比しているため、どうしても冠詞の a が必要です。
文法的に間違った文をそのまま引用するのも問題ですが、実際の発言を改変するのも問題ということで、a に括弧を付けるという判断になったのでしょう。
こんな風に後世まで語り継がれるスピーチの中で、冠詞を忘れてしまったのは致命的、、、
と思いきや、アームストロング本人はこの括弧が気に入っていたというエピソードもあるようです。
そうだとしたら、ちょっと微笑ましい話だなと思います。