フィンランド語学習記 vol.417 − 受動現在分詞の作り方

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フィンランド語の「分詞」に関するエントリーの続きです。

前回はフィンランド語の5種類の分詞のうち、能動現在分詞を扱いました。

今回は受動現在分詞と呼ばれる形を見ていきたいと思います。

1 能動現在分詞
2 受動現在分詞(←ココ)
3 能動過去分詞
4 受動過去分詞
5 動作主分詞

 

受動現在分詞とは?

まずはフィンランド語教室のテキスト『suomea suomeksi 2』にのっている例文を見てみましょう。

Diskoissa soitettava musiikki (= musiikki, jota soitetaan diskoissa) on hyvää.
(ディスコで演奏される音楽はかっこいい。)

Suomessa myytävät hedelmät (= hedelmät, joita myydään Suomessa) ovat usein ulkomaisia.
(フィンランドで売られている果物はしばしば外国産だ。)

太字の部分がいわゆる受動現在分詞の形になっています。

英語の感覚だとこれは過去分詞なのですが、フィンランド語では英語の過去分詞に当たる部分を「受動現在分詞・受動過去分詞」の二つで表します。

もう少し具体的に言えば、意味の上で「演奏される・売られている」なら受動現在分詞、「演奏された・売られていた」なら受動過去分詞という使い分けになるということ。

現在分詞は現在、過去分詞は過去に対応するので、英語よりも理にかなっているのかもしれません。

それでは続いて受動現在分詞の作り方を見ていきましょう。

 

受動現在分詞の作り方

さきほどの例文に出てきた soittaa(演奏する)、myydä(売る)の受動現在分詞を求める手順は以下の4ステップ。

 

1)受動現在形の形を求める。

受動現在形の求め方は次のとおり。

1つの母音で終わる動詞
おしまいの母音を重ねて[-n]を付ける。
2つの母音で終わる動詞
弱形語幹を求める。(一人称単数の[-n]を外した形)
語尾に[-tAAn]を付ける。
ただし[-tAAn]の前に[A]が来るときは[A]を[e]に変える。

 

soittaa は2つの母音で終わっているので後者、myydä は1つの母音で終わっているので前者のパターンになります。

soittaa → soita → soitataan → soitetaan
myydä → myydään

 

2)受動過去形の形を求める。

受動過去形の求め方は次のとおり。

受動現在形の語尾が[-tAAn]で終わる場合
[-tAAn]を[-ttiin]にする。
受動現在形の語尾が[-stAAn]で終わる場合
[-stAAn]を[-stiin]にする。
受動現在形の語尾が[-dAAn][-lAAn][-nAAn]で終わる場合
[-dAAn][-lAAn][-nAAn]を[-tiin]にする。

 

soitetaan は[-taan]で終わっているので1つ目、myydään は[-dään]で終わっているので3つ目のパターンになります。

soitetaan → soitettiin
myydään → myytiin

 

3)受動語幹の形を求める。

受動語幹は受動過去形の[-iin]を[-A]に変えることで得られます。

soitettiin → soitetta
myytiin → myytä

 

4)受動現在分詞の形を求める。

受動現在分詞は受動語幹に[-vA]を付けることで得られます。

soitetta → soitettava
myytä → myytävä

*受動過去形の[-iin]を[-AvA]に変えると考えれば、2→4とショートカットすることもできます。

 

以上、今回はフィンランド語の受動現在分詞の作り方をまとめてみました。

明日はこの受動現在分詞の使い方をもう少し幅広く見ていきたいと思います。