エストニア語とフィンランド語における方位の関係

久しぶりにエストニア語に触れたくなって書棚にあった『まずはこれだけエストニア語』を読んでいたら一つ面白いことに気が付きました。

エストニア語はフィンランド語と同じ系統の言語なのでお互いに似ている語彙が数多くあります。

しかし方位を表す単語を見ていたときに「あれっ?」と思ったことが一つ。

エスト フィン
põhi pohjoinen
ida itä
lõuna etelä
lääs länsi 西

 

「北・東・西」はよく似ているのですが、「南」だけがかなり異なっています。

エストニア語で「南」は lõuna(ロウナ)。この lõuna はフィンランド語で「南西」を表す lounas によく似ています。

そこでテキストには出ていなかった八方位を調べてみると、次のような関係になっていました。

エスト フィン
põhi pohjoinen
kirre koillinen 北東
ida itä
kagu kaakko 南東
lõuna etelä
edel lounas 南西
lääs länsi 西
loe luode 北西

 

エストニア語で「南西」は edel(エデル)。この edel はフィンランド語で「南」を表す etelä によく似ています。

つまりエストニア語とフィンランド語で「南」と「南西」が入れ替わっているんですね。

「だから何?」と言われればそれまでの話ですが、なぜこのようになってしまったのか気になるところです。

 

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