フィンランド語学習記 vol.679 − 過去形における自動詞と他動詞の見分け方

フィンランド語の動詞には muuttua(変わる)と muuttaa(変える)のような自動詞と他動詞のペアがたくさんあります。

たいていの場合は[-uA/-yA]で終わっているものが自動詞で、[-AA]で終わっているものが他動詞。

その原則を踏まえつつ、昨日紹介した Mauri Kunnas の『Koirämäen Suomen historia』の一節をみてみましょう。

Kristiinaa kiinnosti enemmän roomalaiskatolinen kirkko.

動詞 kiinnosti のもとの形は他動詞の kiinnostaa(興味を持たせる)でしょうか? それとも自動詞の kiinnostua(興味を持つ)でしょうか?

??

このように過去形になっているといつも迷ってしまうのですが、調べてみると kiinnosti は他動詞 kiinnostaa の三人称単数過去形であることがわかります。

辞書形 kiinnostua kiinnostaa
一人称単数過去 kiinnostuin kiinnostin
二人称単数過去 kiinnostuit kiinnostit
三人称単数過去 kiinnostui kiinnosti
一人称複数過去 kiinnostuimme kiinnostimme
二人称複数過去 kiinnostuitte kiinnostitte
三人称複数過去 kiinnostuivat kiinnostivat

 

これがもし自動詞 kiinnostua の三人称単数過去形なら[u]が落ちずに kiinnostui という形になるんですね。

せっかくなのでここでもう一度、動詞の過去形の作り方をおさらいしておきたいと思います。

 

過去形の作り方(おさらい)

フィンランド語の動詞の過去形は現在語幹に過去形の印[i]を付けた「過去語幹」をベースにして作ります。注意しなければならないのは、その際に[i]の前の母音が変化するということ。

  • 過去形の印[i]の前が[u, y, o, ö] →[u, y, o, ö]はそのまま。
  • 過去形の印[i]の前が[ä, i, e] →[ä, i, e]は消える。
  • 過去形の印[i]の前が[a]
    • 単語が三音節以上なら →[a]は消える。
    • 単語が二音節
      • 単語の最初の母音が[u, o]なら →[a]は消える。
      • 単語の最初の母音が[u, o]以外なら →[a]は[o]に変わる。

 

Kristiinaa kiinnosti…

なお冒頭の例文では Kristiinaa が分格の形(=目的語)になっているので、そこからも kiinnosti が他動詞であることがわかります。

Kristiinaa kiinnosti enemmän roomalaiskatolinen kirkko.

クリスティーナを魅了したのはローマ・カトリック教会だった。

このフィンランド語らしいリズムに慣れて、さくさく文章を読めるようになりたいものです!