フィンランド語学習記 vol.748 − 分格に関する素朴な疑問

フィンランド語の勉強を始めてかなりの年月が経つものの、時折よくわからなくなってしまうのが分格の使い方。

例えば『フィンランド語文法ハンドブック』の受動完了形に関する章にこんな例文が出ていました。

Ruoka oli syöty, kun isä tuli kotiin.

父が帰宅したとき食事は食べ終わっていた。

Ruokaa ei ollut tehty, kun äiti tuli kotiin.

母が帰宅したとき食事は作っていなかった。

「フィンランド語文法ハンドブック」 P.268 (太字は筆者)

ここで「??」と思ってしまったのが文頭の ruoka, ruokaa の形。

一つ目の文の ruoka は単数主格、二つ目の文の ruokaa は単数分格の形になっています。

単数主格 ruoka
単数分格 ruokaa

 

ここで気になったのは、この ruoka, ruokaa は主語と目的語のどちらなのかということ。

おそらく分格の ruokaa は目的語なのでしょう。しかし主格の ruoka が目的語というのはおかしいのでこちらは主語と解釈すべきでしょうか?

ただ一つ目の文の ruoka は主語で、二つ目の文の ruokaa は目的語というのも非対称で不自然な感じ。今さらながらこのあたりのルールがよくわからなくなってしまったので、もう少し考えてみたいと思います。

 

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