フィンランド語学習記 vol.751 − ylioppilas

先日取り上げた「Yle Uutiset selkosuomeksi」の記事に ylioppilas(大学入学試験合格生)という単語が出て来ました。

フィンランド語学習記 vol.747 − Z-sukupolvi

大学入学試験合格生ということは、彼らは大学生ではなく高校生ということなのでしょうか?

何となくこの単語が気になって Wiktionary を調べてみると、フィンランドの高等教育制度に関する詳しい説明が出ていました。

Usage notes

The Finnish students finishing the lukio (“high school”) must pass a country-wide test called ylioppilastutkinto (“matriculation examination”). While studying for this examination on the last class of high school the students are called abiturientti or ylioppilaskokelas. After passing it they become ylioppilas and gain general eligibility for studying in a university…

Wiktionary「ylioppilas」より

要点をまとめると、

  • フィンランドの高校生は卒業のために ylioppilastutkinto と呼ばれる全国共通テストを受験しなければならない。
  • このテストに向けて勉強する高校最終学年の生徒は abiturientti または ylioppilaskokelas と呼ばれる。
  • テストに合格した生徒は ylioppilas と呼ばれ、大学で勉強する資格を得る。

という感じでしょうか。

つまりフィンランドの高校生は卒業のために一生懸命勉強しなければならないということ。巷間言われる「海外の学生は卒業のために頑張り、日本の学生は入学のために頑張る」という対比を思い出しました。

今、日本で行われている教育制度改革もおそらくはこのフィンランドのような形を目指していたのかもしれません。しかし結局は当初目指していたものとはかなり違う形になりそうです。

もちろんフィンランドの教育制度がベストなどということはないので、それぞれの国がそれぞれの理想を模索していけば良いのでしょう。

それでもフィンランドの教育制度に参考にしたいと思わせる点が多々あることは事実。隣の芝生は青く見えるだけなのでしょうか?