リズム感があると、言語スキルが伸びるというのは本当か?
語学というのは、時に音楽の練習に似ていると思うことがあります。
よく言われることですが、文字のない言語はあっても、音のない言語はありません。
言語の本質が何よりもまず「音」であるのだとすれば、その習得の過程においては、ある程度の音感が必要とされるのではないでしょうか。
米CBSニュースのウェブサイトで紹介されたある研究によると、音楽のリズム感と言語スキルには相関関係があるそうです。
Got rhythm? Study ties ability to keep beat with language, reading skills – CBS News
Scientists studied a group of high school students, and found those who were better at keeping a beat musically had superior language skills compared to their more rhythmically-challenged classmates.
(研究者たちは高校生のグループを調査し、調子よくビートを刻むのが上手な生徒は、リズム感のない生徒に比べて、秀でた言語スキルがあることを発見した。)
外国語の上手な人を指して「耳がよい」ということがありますし、音感と言語スキルにつながりがあるというのは妥当な仮説のように思えます。
この研究において、米ノースウエスタン大学のニーナ・クラウス教授は、シカゴ在住の125人の高校生を対象に、
- メトロノームに合わせてリズムを刻むテスト
- 脳波を測定する装置を付けて音節をリピートするテスト
以上のテストを行い、1のテストで優れている生徒は、2のテストにおいても優れているという結論に至ったそうです。
After running both experiments, scientists found that students who were more accurate when tapping along to the beat had better brain responses during the repetition task.
(両方の実験の後、研究者たちは、ビートを正確に刻む生徒は、リピートテストにおいてよりよい脳反応を伴っていることを発見した。)
また、これらはオーラルコミュニケーション(リスニング、スピーキング)の話かと思いきや、それだけではないようです。
The findings could apply to reading, because hearing speech sounds and associating them with letters and words are crucial for kids learning how to read.
(この発見はリーディングにも応用できる。なぜなら音声を聞き、文字や単語と結びつける能力は、子どもが読み方を学ぶのに欠かせないからだ。)
それではリズム感を訓練すれば、言語スキルも向上するのか?と言えば、もちろんそのような因果関係が証明された訳ではありません。
そもそもリズム感というのは、どの程度鍛えることができるのだろう?という疑問もありますし。。。
学生時代、音楽で全く良い成績をとったことがない自分としては、あまり励まされる研究ではないものの、無視するには説得力のある話だなあとも思います。いかがでしょう?