フィンランド語学習記 vol.562 − 具格の作り方
フィンランド語の15の格のうち、昨日は共格と呼ばれる形を扱いました。
単数 | 複数 | ||||
---|---|---|---|---|---|
主格 | 〜は/が | ◯ | kukka | ◯ | kukat |
属格 | 〜の | ◯ | kukan | ◯ | kukkien |
対格 | 〜を | ◯ | kukan | ◯ | kukat |
分格 | 〜を | ◯ | kukkaa | ◯ | kukkia |
内格 | 〜の中で/に | ◯ | kukassa | ◯ | kukissa |
出格 | 〜の中から | ◯ | kukasta | ◯ | kukista |
入格 | 〜の中へ | ◯ | kukkaan | ◯ | kukkiin |
接格 | 〜の表で/に | ◯ | kukalla | ◯ | kukilla |
離格 | 〜の表から | ◯ | kukalta | ◯ | kukilta |
向格 | 〜の表へ | ◯ | kukalle | ◯ | kukille |
変格 | 〜に(なる) | ◯ | kukaksi | ◯ | kukiksi |
様格 | 〜として | ◯ | kukkana | ◯ | kukkina |
具格 | 〜を使って | kukin | |||
共格 | 〜と共に | ◯ | kukkine | ||
欠格 | 〜なしで | kukatta | kukitta |
今日は引き続き具格と呼ばれる形を見ていきます。
具格とは?
具格とは「〜を使って」という意味を表すための格。
Pekka on auttanut minua monin tavoin.
(ペッカは多くの方法で私を助けてくれた。)
(ペッカは多くの方法で私を助けてくれた。)
太字の monin tavoin の部分が具格の形になっています。
この「〜を使って」という意味はこれまで接格[-llA]を使って表していました。
Pekka on auttanut minua monella tavalla.
(ペッカは多くの方法で私を助けてくれた。)
(ペッカは多くの方法で私を助けてくれた。)
具格は書き言葉で使われる形なので、日常会話ではこの接格[-llA]を使った形を作ることができれば大丈夫。
しかしフィンランド語の文章を読んだり書いたりするためには、この具格の形も合わせて知っておく必要があります。
よって今回はその作り方を見ていきましょう。
具格の作り方
具格を作る手順は以下の通り。
1)複数語幹をもとめる。
2)具格語尾[-n]を付ける。
2)具格語尾[-n]を付ける。
*具格は一部の例外を除いて、複数形のみとなります。例外の形は明日のエントリーで扱います。
1)複数語幹をもとめる
複数語幹の作り方はやや複雑なので、細かな手順を確認したい方はこちらをご覧ください。
ここではさきほどの例文に出てきた moni tapa(多くの方法)という単語を例に変化形を見ていきます。
moni tapa(多くの方法)
[単数語幹]mone tapa
[複数語幹]moni tapoi
[単数語幹]mone tapa
[複数語幹]moni tapoi
2)具格語尾[-n]を付ける
さきほどの複数語幹に具格語尾[-n]を付けます。
moni tapoi → monin tavoin
*kpt 交替のある語は弱形の語幹になります。
kk | ←→ | k |
k | ←→ | × |
pp | ←→ | p |
p | ←→ | v |
tt | ←→ | t |
t | ←→ | d |
以上でできあがり。
冒頭の例文をもう一度見てみましょう。
Pekka on auttanut minua monin tavoin.
(ペッカは多くの方法で私を助けてくれた。)
(ペッカは多くの方法で私を助けてくれた。)
まとめ
以上、今回はフィンランド語の具格と呼ばれる形について見てきました。
格語尾[-n]を用いる格は他にも属格・対格があるので、見た目の区別は少々紛らわしいところ。
明日はこの具格を用いた慣用表現を見ていきたいと思います。