フィンランド映画祭2018で『ワンダーランド』を観てきました。

今年のフィンランド映画祭2018は11月3日(土)から11月9日(金)までの7日間。

会場を去年までの六本木のTOHOシネマズから渋谷のユーロスペースに移して開催されています。

フィンランド映画祭2018

今回上映されるのは次の5作品。

フィン
アントレプレナー Yrittäjä Entrepreneur
ワンダーランド Joulumaa Wonderland
ヴァイオリン・プレイヤー Viulisti The Violin Player
ヘヴィー・トリップ Hevi reissu Heavy Trip
ターニングポイント Kääntöpiste East of Sweden

 

今回は残念ながら11月6日(火)の一日しか参加できなかったので、この日に『ワンダーランド』と『ヴァイオリン・プレーヤー』の二本を観てきました。

あらすじは映画祭の公式ホームページより。

ワンダーランド
Joulumaa/Wonderland

オリジナルのタイトル“Joulumaa”は、フィンランドで人気のクリスマスソングの曲名として本国では有名。その曲からインスピレーションを得て作られたハートウォーミングなストーリー。最近離婚したヘレナは、クリスマス休暇を一人で過ごすことに不安を感じている。彼女の親友ウリは農場で昔のようなクリスマスを過ごすように勧めるのだった…
監督のイナリ・ニエミは本作が長編劇映画2作目にあたる。前作「サマー・フレンズ」(フィンランド映画祭2015にて上映)は避暑地を舞台にひと夏の出来事を描き本国で成功を収めた。そして本作では農場を舞台にクリスマスの出来事を描いている。主演のミルカ・アフロスは他に「希望のかなた」(17)「サマー・フレンズ」(14)などに出演。親友役のマリ・ランタシラは歌手、監督としても本国では有名。フィンランド映画祭では「巨山」「ラブ・ミッラ」に出演している。

イナリ・ニエミ監督の前作『サマー・フレンズ』は2015年の映画祭で観ています。前作の主人公は二十代の女性でしたが、今作の主人公は四十代の女性ということで、世代が近いせいなのか、前作より彼らに感情移入して映画の世界に入っていくことができました。

映画の冒頭、主人公のヘレナとウリが農場にやってくるシーンでは、いったいこんな場所でどんなドラマが起きるのだろう?と思ったのですが、そんな心配は無用でした。人のあるところドラマあり。ということで、ここから登場人物たちの関わり合いによって心の奥底に眠っていた感情が露わになり、さまざまなドラマが織り成されていきます。

個人的にはちょっと神経質な若い母親役のアンナ・パービライネン(Anna Paavilainen)に肩入れしながら映画を観ていました。最後に何かどんでん返しがあるんだろうなあと思っていたら案の定。サスペンスチックな展開になっていきます。

そんなドラマも含みつつ、映画の大半は田舎の農場でホストとゲストがワインを飲み、ギターを弾き、たわいもない会話をしながらのんびりと過ごすシーンが中心。このフィンランド流の休暇の過ごし方にも魅力を感じます。

また決して社交的には見えないフィンランドの人たちですが、映画を観る限り、他人に心を開くこと、自分をオープンにすることは案外上手なのかなとも感じます。もちろんそうでないと物語が展開しないという事情はあるのかもしれませんが。

明日はこの日鑑賞したもう一本の『ヴァイオリン・プレーヤー』について。