フィンランド語学習記 vol.98 − 似ているような、似ていないような

いよいよ今週からフィンランド語教室が再開します!

そのため最近は前期の内容をガンガン復習しているところ。

既習の動詞が30個ほどあるので、まずはその意味をきちんと押さえ直しています。

その中で、どうも紛らわしいのが osata と voida という2つの動詞。それぞれの意味は次のとおり。

osata (能力的に)できる
voida (可能性として)できる

 
「能力=osada」「可能性=voida」と覚えようとしても、すぐにどちらがどちらかわからなくなってしまいます。

似たような単語は丸暗記をするよりも、文脈の中で覚えたほうがよいのかもしれません。

そこで実際の用例を確認するため、iPhone のフィンランド語辞書アプリ『MOT Finnish-English』から例文を引いてみました。

1)Hän ei osaa ajaa autoa.(He can’t drive a car.)
2)Hän osaa puhua englantia todella hyvin.(She can speak English very well.)
3)En voi ymmärtää tätä.(I can’t understand this.)
4)Tupakointi voi aiheuttaa syöpää.(Smoking can cause cancer.)
5)Voinko auttaa?(Can I help you?)
*osata, voida の活用形は太字で表記

細かい単語はさておき、今回は英訳の部分を見てみてください。

1・2はそれぞれ運転する能力、英語を話す能力を表しており、一方の3・4・5は理解する可能性、発ガンの可能性、手伝う可能性を表しています。

(3は能力とも解釈できそうですが。。)

こうして例文を並べてみると「能力的にできる」「可能性としてできる」というのが、どういうことなのかよくわかります。

とはいえ、英語でも日本語でも一つの単語で表していた概念を、改めて別々の単語で表すというのはかなり難しいことですね。

英語を習い始めたとき、日本語の「見る」に「look at/see/watch」という3種類の単語を当てるのが、ずいぶん難しかったことを思い出しました。

しかしフィンランド語の方から改めて英訳を眺めてみると、車の運転能力と発ガン可能性を同じ単語で表すなんて不思議だと思いませんか?

その気になれば運転はいつでもできますが、タバコを吸ったらいつでもガンができる訳ではないのです。

今まで当たり前だと思っていたものが、急に違和感を持って見えてくる、これもまた外国語学習に伴うおもしろさの一つなのかもしれません。