バターの花、ライオンの歯
フィンランド語で「タンポポ」は voikukka(ヴォイクッカ)。
voi は「バター」、kukka は「花」の意味。
「バターの花」というのは、おそらくタンポポの色からの連想なのでしょうか?
何だか食欲をそそるような名前ですね。
一方、英語で「タンポポ」は dandelion(ダンデライオン)。
これは「ライオンの歯」という意味のフランス語に由来するのだとか。
dandelion (n.)
early 15c., earlier dent-de-lioun (late 14c.), from Middle French dent de lion, literally “lion’s tooth” (from its toothed leaves), translation of Medieval Latin dens leonis.
『Online Etymology Dictionary』
タンポポのギザギザした葉をライオンの歯に見立てたということのよう。
花ではなく、葉の方から名付けるというのは何だか意外ですね。
それでは日本語の「タンポポ」はどのような由来の単語なのでしょう?
タンポポはもと鼓を意味する小児語であった。江戸時代にはタンポポはツヅミグサ(鼓草)と呼ばれていたことから、転じて植物もタンポポと呼ばれるようになったのが通説であるが、その他にも諸説ある。
Wikipedia「タンポポ」より
「タンポポ」は、タンタン、ポンポンと鼓を叩く音から来ているという説。
そう言われてみると、タンポポというのはとてもリズミカルな単語だということに気付かされます。
同じ花が、バターになったり、ライオンの歯になったり、鼓を叩く音になったり、人間の想像力というのはおもしろいものだなあと思います。