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beget − 連鎖するもの

15012201

「ランダムハウス英和大辞典」の bear の項にこんな記述があります。

bear[bέər]

(1)〈女性・雌が〉〈子を〉産む.

◆男性が子をもうける場合は beget

「ランダムハウス英和大辞典 第2版」

(1)の意味はよいとして、気になったのはその次の部分。

男性が子をもうけるという意味の beget という動詞があるんですね。

この単語は初めて見ました。さっそくそちらも調べてみましょう。

beget[biɡét]

1 〈通例、父親、時に両親が〉〈子を〉もうける

2 (文語)生じさせる;(結果として)招く

「ランダムハウス英和大辞典 第2版」

日本語でも、子どもを「産む」ことができるのは女性だけですが、子どもを「もうける」ことは男女両方ともに可能です。

そういった意味で「もうける」というのは beget の上手い訳語なのでしょう。

また beget には、子ども以外のものを「生じさせる」という意味もあり、’X begets X’ という反復の形で使われることが多いようです。

a belief that power begets power(力が力を生むという信念)

Money begets money.(金は金を生む。)

「ランダムハウス英和大辞典 第2版」

A lie begets a lie.(うそはうそを生む。)

Cruelty begets cruelty.(残忍は残忍を生む。)

Disease begets disease.(病が病を生じさせる。)

「英和活用大辞典」

Violence begets violence.(暴力が暴力を生む。)

「ウィズダム英和辞典 第3版」

暴力の連鎖というのは、今の世界において断ち切ることが最も難しいものの一つでしょう。

それにしても beget の例文を調べていると、このように悪い意味の例文ばかりが出てきます。

一つくらい良い意味の例文はないのかな?と思い、あちこち探していたら一つだけ見つかりました。

Enthusiasm begets enthusiasm.(熱意は熱意を生むものだ。)

「英辞郎」

確かに熱意を持って何事かに取り組んでいる人を見ると、自分もやってやろうという気持ちになりますよね。

願わくば、こんな風に周囲の人にプラスの影響を与えられる存在でありたいものです。

フィンランド語学習記 vol.268 − 東から西から

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フィンランド語教室で使っているテキスト『suomea suomeksi』に次のような文が出てきました。

Aurinko nousi idästä ja taivas oli punainen.(太陽が東から昇った、そして空は赤かった。)
*aurinko(太陽)、nousta(昇る)、itä(東)、taivas(空)、punainen(赤い)

それぞれの単語の意味はわかっているのに、文を見たときに一瞬??となってしまったのが3語目の idästä という形。

フィンランド語の4方位を表す単語は次のとおり。

フィン
pohjoinen [ポフヨイネン]
itä [イタ]
etelä [エテラ]
西 länsi [ランスィ]

 

これだけなら簡単なのですが、実際に文の中に組み込まれたときには、フィンランド語の他の単語と同じようにさまざまな形に変化します。

例えば、こんな感じ。

主格
(〜は)
出格
(〜から)
入格
(〜へ)
pohjoinen pohjoisesta pohjoiseen
itä idästä itään
etelä etelästä etelään
西 länsi lännestä länteen

 

こうして見ると、北/南はそれほどではないものの、東/西はかなり複雑な変化をしていることがわかります。

よって小学校で習うような太陽の動きを表すには次のような形になりますし、

Aurinko nousee idästä ja laskee länteen.(太陽は東から昇り、西へ沈む。)

もしも方角が変わったときには次のような形になります。

Aurinko nousee lännestä ja laskee itään.(太陽は西から昇り、東へ沈む。)

方角が変わると格変化も面倒なので、太陽にはぜひ東から昇り続けてほしいものです。

ex

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大西泰斗さんの『一億人の英文法』をめくっていたら、こんな例文が出ていました。

I had an interesting conversation with my ex last night.

(昨夜、元カノと面白い会話をしたよ)

シンプルな一文の中に深遠な世界が広がっています。この二人はいったいどんな会話をしたのでしょう?

。。。

いや、今回取り上げたいのはそこではなく、文中にある ex という単語。

ex

a person’s former wife, husband or other partner

「Oxford Advanced Learner’s Dictionary」

ex 二文字だけでこのような意味になるんですね。

OALD の語義には、元カノ(ex-girlfriend)、元カレ(ex-boyfriend)は明示されていませんが、other partner の中に含まれているのでしょう。

ちなみに「英辞郎」でこの ex を調べてみたら、次のような例文がのっていました。

Regarding the e-mails from your ex… You didn’t have to hide it from me. You never told me about him.

元彼からのメールのことだけどさあ… 別に隠すことなかったじゃないか。君、この人について全然僕に話さなかったよね。

“I saw you dating with your ex. What the hell is going on?” “I never did that! Not even once!”

「あなたが元彼女とデートしてるの見たわよ。一体何なの?」「そんなこと決してしていない!一度だってしてないよ!」◆浮気

冒頭の明るい例文とは対照的な修羅場(?)が表現されています。

同じ単語を使っても、そこからどんな文を組み立てるのかは人それぞれ。

みなさんだったら、この ex という単語から、どのような文を連想するでしょうか?

 

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辞書とセレンディピティ

15011901

serendipity

the fact of sth interesting or pleasant happening by chance

「Oxford Advanced Learner’s Dictionary」

辞書と言えば電子辞書という時期もありましたが、最近また紙の辞書をめくるのが楽しくなってきました。

電子辞書に対して、紙の辞書を使うアドバンテージはいくつかあると思いますが、ことばが好きな人にとっては「偶然におもしろい単語に出会う」というのもその一つではないかと思います。

電子辞書の場合、目的の単語を調べたら、それで終わりということになりがちです。しかし紙の辞書を使うと、いやがおうにも周りの単語も目に入ります。

そのため「へえー、こんな単語があったんだ」という思いがけない出会いや、ひらめきにつながることも珍しくありません。

そういう意味では、電子辞書と紙の辞書の関係はオンライン書店とリアル書店の関係に似ているのかもしれません。

購入したい本が決まっているときにはオンライン書店は便利ですが、実際の店舗を歩いて思いがけない本に出会うというのも本好きにとっては欠かせない楽しみの一つです。

そんな訳で、最近、電子辞書一辺倒になっている人は、紙の辞書の良さを見直してみるというのはどうでしょう?

自分の場合は机上に少し傾斜のある棚を置いて、その上にいくつかの辞書を並べています。これだと気が向いたときにすぐに気になる一冊を手に取ることが出来るので、なかなか便利です。

 

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近来の近の字はどう書いたっけね

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子どもの頃に比べると、手書きの文字を書く機会というのはぐっと少なくなりました。

それでも手帳にスケジュールを書いたり、to do を書いたり、アナログの出番もない訳ではありません。

そんなときに困るのが、

  • 漢字が思い出せないこと
  • 漢字を書いてみるものの、その文字が正しいのか確信が持てないこと

特に最近多いのが後者のパターンで、漢字を書いても、

「あれ? この字で合っているかな?」

と心配になってしまい、ワープロソフトで変換して確かめるということがよくあります。

これは現代病のようでありながら、もしかしたら神経症の一種なのかもしれません。

漱石の『門』の冒頭に、主人公の宗助と妻の御米(およね)のこんな会話が出てきます。

「御米、近来の近の字はどう書いたっけね」と尋ねた。細君は別に呆れた様子もなく、若い女に特有なけたたましい笑声も立てず、

「近江のおうの字じゃなくって」と答えた。

「その近江のおうの字が分らないんだ」

そして「近」という字を書いてみせる御米。

「どうも字と云うものは不思議だよ」と始めて細君の顔を見た。

「何故」

「何故って、幾何容易い字でも、こりゃ変だと思って疑ぐり出すと分らなくなる。この間も今日の今の字で大変迷った。紙の上へちゃんと書いて見て、じっと眺めていると、何だか違ったような気がする。仕舞には見れば見る程今らしくなくなって来る。——御前そんな事を経験した事はないかい」

「まさか」

「己だけかな」と宗助は頭へ手を当てた。

「貴方どうかしていらっしゃるのよ」

「やっぱり神経衰弱の所為かも知れない」

この件を読んで「あー、この感じはよくわかるなあ」と深く共感。

実際に漱石の身に起きたことなのかどうかはわかりませんが、すごくリアリティのある描写だと思います。

さすがに神経衰弱というのは大げさですが、ちょっと疲れているのかもしれないなと我が身を振り返った小説の一場面でした。

 

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すっとこどっこい、おっちょこちょい

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この前、ある本を読んでいたら「すっとこどっこいな人」というのが出てきました。

なんとなくわかったような気になって読みすすめていたのですが、ふと立ち止まったときに、

あれ? すっとこどっこいってどんな意味だったかな?

とわからなくなってしまったので辞書を引いてみることにしました。

すっとこどっこい

  1. 馬鹿囃子(ばかばやし)のはやしことば。
  2. ののしっていう語。馬鹿野郎の類。

『広辞苑 第五版』

あー、すっとこどっこいというのは「ばか」の意味だったんですね。

何となく、おっちょこちょいくらいの軽いニュアンスを想像していたので、使うときには気を付けなければ。

せっかくなので、おっちょこちょいの意味も調べてみました。

おっちょこちょい

ちょこちょこしていて考えの浅いこと。軽薄。また、そういう人。

『広辞苑 第五版』

なるほど。おっちょこちょいの「ちょこ」は、ちょこちょこの「ちょこ」なんですね。

それにしても、すっとこどっこいやおっちょこちょいというのはリズミカルでおかしな単語。

外国語として日本語を学んでいる人がこの「suttokodokkoi」や「occhokochoi」という単語を聞いたらいったいどのように感じるものでしょう。

もしかしたらおまじないのように感じてしまうかもしれません。

また語源については諸説あるようですが、はっきりしたことはわかっていないそう。

まあ、時にはそんな不思議な単語があってもよいのではないかと思います。

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