語学教室に通うメリットを改めて考えてみる

フィンランド語教室に通い始めたころ、教室に通うメリットとして下記の二点を考えていました。

  • 学習のペースメーカーになってくれる
  • 他の学習者と知り合うことで刺激になる

[参考]フィンランド語学習記 vol.4 − 教室へ通ってみる | Fragments

実際に半年間教室に通ってみて、これらのメリットは確かにあったと思っています。

そして通い始めのころにはあまり意識していなかったもう一つのメリットにも気付きました。それは、

  • 学習項目の定着率が上がる

ということ。

例えば、外国語の学習における単語の暗記というのは、ノートに何度も書いて覚えるとか、単語カードを作って覚えるといった個人的な作業に負うところが大きいと思われています。

しかし久しぶりに語学の教室に通ってみて感じたのは、教室で習った単語は不思議と定着率がよいということでした。

教科書を読み進めながら、「◯◯は△△という意味です」と先生が教えてくれた単語は、独学で覚えた単語より圧倒的に記憶に残ります。

これはなぜなのでしょう?

仮説として、下記の2点を考えてみました。

 

適度な緊張感があり、集中力が高まる。

教室は楽しい空間ではありますが、1回のレッスンが終わるとそれなりに疲れが残ります。

自宅やカフェで勉強したときには、どんなに集中していても、そこまでの疲労感はありません。知らず知らずのうちにスイッチが入っているのだと思います。

 

先生の説明やペア練習などのレッスンを、単語の「文脈」として覚えるので記憶効率がよい。

単語の暗記において、単語を単独で覚えるのではなく用例や文脈の中で覚えるのがよい、とはよく言われることです。

この際の文脈とは、その単語を含む会話や文章のことを指す訳ですが、広義に解釈すればその単語が使用されたレッスンもまた文脈の一つと言えるでしょう。

こういった単語は、レッスンの情景を含めて「エピソード記憶」の一部として定着されるので、より鮮明な記憶として残るのかもしれません。

 

いずれにせよ、自分で新規の単語をゼロから暗記するよりも、教室で習った単語を忘れないようにする方が、認知負荷が軽いことは確かだと思います。

とはいえ、新しい外国語で一定の運用能力を身につけようと思ったら、すべての単語を教室で習うという訳にはいきません。

教室を「利用する」という視点に立って、個人学習とのバランスを上手く保っていくことが大切になるのでしょう。