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音楽

残されし恋には − Que reste-t-il de nos amours?

大学生のときの第二外国語はフランス語でした。今となってはすっかり忘れてしまいましたが、この曲を授業で扱ったことだけはよく覚えています。

というのも、この曲を先生に推薦したのは、他ならぬ私なのでした。

今思えば、ずいぶん寛大な先生で、どうせなら生徒が好きな素材で授業をしようということで、みなのリクエストを聞いてくれていたのです。

この曲を歌っているシャルル・トレネは、2001年に亡くなったフランスの有名なシャンソン歌手で、多くの歌手にカバーされた『ラ・メール』などはシャンソン好きの人でなくても、どこかで聞いたことがあるかもしれません。

この曲、Que reste-t-il de nos amours?(邦題:残されし恋には)は、フランソワ・トリュフォー監督の1968年の映画『夜霧の恋人たち』の主題歌として使われました。

『夜霧の恋人たち』のフランス語原題は、Baisers volés で、英語に訳すと Stolen kisses となります。

これは原曲の歌詞の一節として出てくるフレーズです。

歌詞の内容は、ひとことで言えば「郷愁」の歌ということになるのでしょう。昔よく聞いた曲で、もうすっかり忘れていたのですが、フランス語のことを考えていたら、ふとこの曲のことを思い出しました。

フランス語の原詩を訳すことはできないのですが、Wikipedia に英訳がのっていたので、前半部分のみ重訳を試みてみました。曲の世界を少しでも味わっていただければ幸いです。

Que reste-t-il de nos amours?

Ce soir le vent qui frappe à ma porte
Me parle des amours mortes
Devant le feu qui s’ éteint
Ce soir c’est une chanson d’ automne
Dans la maison qui frissonne
Et je pense aux jours lointains

Que reste-t-il de nos amours
Que reste-t-il de ces beaux jours
Une photo, vieille photo
De ma jeunesse
Que reste-t-il des billets doux
Des mois d’ avril, des rendez-vous
Un souvenir qui me poursuit
Sans cesse

Bonheur fané, cheveux au vent
Baisers volés, rêves mouvants
Que reste-t-il de tout cela
Dites-le-moi

What Remains of Our Love?

Tonight the wind that slaps at my door
Speaks to me of past love affairs
Before the fire that wanes
Tonight it’s a song of autumn
In the house that shivers
And I think of days long ago

What remains of our love?
What remains of these beautiful days?
A photo, an old photo
Of my youth
What remains of the love letters
Of months in April, of rendez-vous
A memory that follows me
Incessantly

Withered good times, wind in hair
Stolen kisses, moving dreams
What remains of all that?
Tell me

残されし恋には

今宵、ドアを叩く風が
過去の恋を語りかける
弱まる火の前で
今宵、秋の歌を聞き
震える家の中で
遠い昔に思いを馳せる

私たちの恋に何が残っているだろう?
あの美しい日々に何が残っている?
古い写真
若い日々
恋の手紙に何が残っているだろう
幾度もの4月、幾度もの邂逅
つきまとう記憶
絶え間なく

しおれてしまった素晴らしい日々、髪を流す風
盗まれた接吻、移り変わる夢
その全てに何が残っているだろう?
教えてほしい

 

サーミの歌(Sámi soga lávlla)

photo credit: Tusken91 via photopin cc

スカンジナビア半島北部の先住民族サーミ人について調べていたら、サーミの歌(Sámi soga lávlla)の動画を偶然見つけました。

非常に美しい旋律で、思わず聞き入ってしまったので、ここにシェアしておきます。

サーミの人々にとっていわゆる国歌に当たる歌なのでしょうが、サーミ人の住むラップランドは国ではないので、国歌とは訳せません。

この歌は数あるサーミ諸語の中の「北部サーミ語」で歌われているようです。

サーミ語に関する知識は全くないのですが、Wikipedia に歌詞がのっていたので、冒頭の部分のみ見てみたいと思います。

北部サーミ語 Guhkkin davvin Dávggáid vuolde
sabmá suolggai Sámieanan.
Duottar leabbá duoddar duohkin,
jávri seabbá jávrri lahka.
フィンランド語 Kaukaa alta seitsentähden
Lapin kulma kuumottavi
aava Turjan tunturisto
järvi järven tuolla puolen,
英語 Far up North ‘neath Ursa Major
Gently rises Saamiland.
Mountain upon mountain.
Lake upon lake.

Wikipedia『Sami National Anthem』より

こうして見るとフィンランド語とサーミ語はかなり異なる言語だということがよくわかります。

しかし素人目にはアルファベットの並び方など、似たようなイメージがあるのは気のせいでしょうか。

実際、言語系統上は親戚の言語ということになっているようですし、基本表現には似た単語も多いです。

北サーミ フィン
すみません Ándagassii. Anteeksi.
ありがとう Giitu. Kiitos.

 
よく見ると Sámi soga lávlla の歌詞でも järvi(湖)は、点々以外同じ綴りになっています。

フィンランド語が上達すれば、少しくらいはサーミ語も読めるようになるのだとしたら嬉しいですね。

『神よ、アフリカに祝福を』『南アフリカの呼び声』− 南アフリカ共和国国歌

photo credit: David W. Siu via photopin cc

フランスの国歌はフランス語で歌い、日本の国歌は日本語で歌う。そんなことは当たり前と思われるかもしれませんが、世界には5つの言語を織り交ぜて歌う国歌というのも存在します。

それが、南アフリカ共和国の国歌『神よ、アフリカに祝福を』『南アフリカの呼び声』で、1曲を「コサ語」「ズールー語」「ソト語」「アフリカーンス語」「英語」の5言語で歌いつないでいきます。

これらはすべて南アフリカ共和国の公用語であり、この他に「南ンデベレ語」「北ソト語」「スワジ語」「ツォンガ語」「ツワナ語」「ヴェンダ語」の6言語を加えた11の言語が1996年の新憲法で公用語として採択されました。

タイトルからも分かるとおり、この曲はもともと別の2曲を組み合わせて1つの国歌にしたもので、構成と歌詞は下記のとおり。

元曲 言語 歌詞
神よ、アフリカに祝福を コサ語 Nkosi sikelel’ iAfrika
Maluphakanyisw’ uphondo lwayo,
ズールー語 Yizwa imithandazo yethu,
Nkosi sikelela, thina lusapho lwayo.
ソト語 Morena boloka setjhaba sa heso,
O fedise dintwa le matshwenyeho,
O se boloke, O se boloke setjhaba sa heso,
Setjhaba sa, South Afrika — South Afrika.
南アフリカの呼び声 アフリカーンス語 Uit die blou van onse hemel,
Uit die diepte van ons see,
Oor ons ewige gebergtes,
Waar die kranse antwoord gee,
英語 Sounds the call to come together,
And united we shall stand,
Let us live and strive for freedom
In South Africa our land.

*表は Wikipedia「南アフリカの国歌」より

前半の『神よ、アフリカに祝福を』は黒人解放運動の象徴となった賛美歌、後半の『南アフリカの呼び声』はアパルトヘイト時代の国歌ということですが、旋律は違和感なくつながっているような気がします。

成立の背景はどうあれ、まずは一つの曲として聞いてみてください。独特の高揚感がある素晴らしい曲だと思います。

 

Waltzing Matilda − the unofficial national anthem of Australia

Waltzing Matildaはオーストラリアで最も愛されている曲の一つ。英語版のWikipediaでは the unofficial national anthem of Australia(オーストラリアの非公式国歌)と紹介されています。

例えば、オーストラリア代表のラグビーの試合を見に行くと、試合前に国歌であるAdvance Australia Fairを斉唱します。(これは当然)

その後、リラックスした雰囲気の中で、ちょっとラフな格好のギター奏者が出てきて、Waltzing Matildaを弾き語りで歌うということがよくありました。

何となく郷愁を誘うそのメロディがとてもいいのです。オーストラリアといえばこの曲というくらいに忘れられない曲の一つです。

 

この曲の由来は19世紀までさかのぼります。

1895年に同国のジャーナリストのバンジョー・パターソンが、クリスティナ・マクファーソン (Christina Macpherson) という女性の歌ったメロディに歌詞を施したものである。マクファーソンの歌ったメロディは、1894年に彼女が聴いた「なんじクレイギリーの美しき森よ」(“Thou Bonnie Wood Of Craigielea”) というスコットランドの民謡に基づくものとされている。

wikipedia「ワルチング・マチルダ」より

バンジョー・パターソンは、オーストラリアの10ドル札の表面に登場しており、数字の10の後ろをよく見るとWaltzing Matildaの文字が見えます。

このパターソンが書いた歌詞というのが、かなり風変わりで、簡単に言えば、羊泥棒をした放浪者が警察に捕まりそうになり、沼に飛び込んで自殺するというものです。

そんな内容の歌が国民歌になるのか?と思われるかもしれませんが、まだ若い国オーストラリアの開拓時代の心意気や反骨精神を受け継いだものと考えれば少しは納得できるのではないでしょうか。

そしてこの歌にはオーストラリアのスラングもたくさん出てきます。最初の4行を抜粋してみましょう。

Once a jolly swagman camped by a billabong
Under the shade of a coolibah tree
And he sang as he watched and waited till his billy boiled
You’ll come a’waltzing Matilda with me.

スラングの意味は下記のとおり。

swagman(放浪者)
billabong(沼)
billy(湯沸し用の缶)
waltzing Matilda(含意:毛布一つで渡り歩く)

ということで、この部分を訳してみるとこんな感じでしょうか。

昔、陽気な放浪者が沼の近くで野宿した
ユーカリの木の陰で
そしてお湯が沸くのを待ちながら歌った
俺といっしょに来るんだな、ワルツィングマチルダよ。

ちなみにswagmanとbillyを英辞郎で引いてみると、こんな意味がのっています。

swagman〈豪〉路上生活者、渡り労働者
billy〈豪〉キャンプ用湯沸かし容器 ◆路上生活者[ホームレス]の必需品でもある◆

開拓時代の放浪者も今はホームレスということでしょうか。

オーストラリアのスラングには本当に面白いものが多いので、機会があればまた紹介してみたいと思います。

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