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「つましい」と「つつましい」の違いとは?

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この頃はすっかりお酒を飲まなくなってしまい、日々つつましい暮らしを送っています。

もとい、つましい暮らしを送っています。

??

さて「つつましい暮らし」と「つましい暮らし」のどちらが正しい日本語だったかな?と迷ってしまったので、さっそく調べてみることにしました。

つましい【倹しい】

ぜいたくな生活をする余裕がなく、倹約につとめる様子だ。「ー暮らし」

「新明解国語辞典 第七版」

つつましい【慎ましい】

  1. 何事につけても謙虚に振る舞う様子だ。〔誤って、「つましい」と同義に用いる向きもある。例、「ー食事」〕「慎ましく意見を述べる」
  2. 礼儀正しく、控え目な様子だ。「慎ましく会釈する」

「新明解国語辞典 第七版」

新明解では、つつましい食事という表現は誤用とされています。

この場合のつつましい食事というのは、おそらく「ぜいたくではない、質素な」という意味でしょうから、ここから類推すると、つつましい暮らしという表現も誤用になってしまうのでしょうか?

ただ日本語としての存在感、というか使用頻度としては「つつましい」が「つましい」をかなり上回っているように思いますし、つつましい暮らしという表現にもそれほど違和感は感じないというのが正直なところ。

もともとは誤用であっても、次第に定着しつつある表現なのかもしれません。

とはいえ「つつましい食事、つつましい暮らし」などの表現が認められてしまうと、将来「つましい」が死語になってしまう可能性もあるでしょう。

それではもったいないので、何とか共存共栄の道を探ってもらいたいものです。

フィンランド語学習記 vol.319 − 探偵小説とクロスワードパズル

フィンランド語教室で使っているテキスト『suomea suomeksi』に出てくる登場人物の一人にリーサ(Liisa)というキャラクターがいます。

写真のモデルとして世界中を回っているのに大の飛行機嫌いであったり、なかなか面白いキャラクターなのですが、

テキストも終わり近くの第26課で、そんなリーサの意外な趣味が明らかになりました。

Hän harrastaa erikoisesti salapoliisiromaaneja.(彼女は特に探偵小説を趣味にしています。)
*harrastaa(関心を持つ、趣味にする)、erikoisesti(特に)、salapoliisiromaani(探偵小説)

salapoliisiromaani の sala は「秘密」、poliisi は「警官」、romaani は「小説」の意味。

「秘密+警官」=「探偵」というのは、おもしろい組み合わせ。

フィンランド語らしい長い複合語になっています。

もう一つの趣味はこちら。

Liisa harrastaa myös ristisanatehtäviä.(リーサはクロスワードパズルも趣味にしています。)
*myös(〜もまた)、ristisanatehtävä(クロスワードパズル)

ristisanatehtäviä の risti は「十字」、sana は「単語」、tehtävä は「仕事」の意味。

「十字+単語」=「クロスワード」というのは、一瞬??と思うものの、考えてみると英語と同じ組み合わせ。

こちらもフィンランド語らしい長い複合語になっています。

それにしても探偵小説やクロスワードパズルが好きというのは、なかなか渋い趣味ですね。

そんなリーサのこれからの活躍に期待したいと思います。

New York, New York

今まで訪れた中で一番好きな街を選べと言われたら、

ロンドンやシドニーやヘルシンキもいいなあと思いながら、結局はニューヨークと答えるのかもしれません。

ニューヨークを訪れたのは大学生のとき。

そのときの印象は高いビルが多くて日陰が多いなあという印象。2月だったので、マイナス9度などという日もあったのを記憶しています。

メトロポリタン美術館やMOMAをまわったり、ブロードウェイでミュージカルを見たり、きらびやかな世界の一端も覗いたはずなのですが、今思い返してみるとニューヨークのイメージというのはなぜかモノクロームの映像として浮かび上がってきます。

それでももしアメリカに住むことができるのなら、太陽が燦々と降り注ぐ西海岸の街よりも、モノクロのニューヨークに住んでみたいと思います。

そんなニューヨークの記憶はもうおぼろげなのですが、この曲を聴くと急に懐かしい気持ちになるのは不思議なもの。

Start spreading the news
I am leaving today
I want to be a part of it
New York, New York

These vagabond shoes
They are longing to stray
Right through the very heart of it
New York, New York

『New York, New York』

いわゆるスタンダード・ナンバーなので、ニューヨークと聞けばすぐにこの曲が思い浮かぶという人も多いのではないでしょうか。

オリジナルは1977年の映画『ニューヨーク・ニューヨーク』のテーマソングになったライザ・ミネリのバージョン。

その後にカバーされたフランク・シナトラのバージョンも広く知られています。

また2011年の映画『SHAME』の中でキャリー・マリガンがしっとりと歌い上げるバージョンも大好きです。

映画のシーンのようにバーでワインを傾けながら、この曲を聴くことができたら最高なのですが。

あるへいぼう

photo credit: Barber Shop via photopin (license)

photo credit: Barber Shop via photopin (license)

目的もなく辞書をパラパラとめくっているときの面白い発見の一つは「えっ? そんなものに名前があったの?」という単語を見つけること。

先日もこんな単語を見つけました。

アルヘイぼう【有平棒】

(有平糖に似ているからという)床屋の看板に用いる赤・白・青のらせん模様の棒。

「広辞苑 第五版」

調べてみると、有平糖というのはポルトガル伝来の砂糖菓子のこと。

その有平糖に由来するという「有平棒」は、英語でサインポール(signpole)とも呼ばれています。

人の認識というのは不思議なもので、子どもの頃から繰り返し見てきた「有平棒」が「有平棒」であることを知らなくても、全く違和感はありません。

もしそれを話題にしたいなら「床屋の前にある三色のくるくる」なんていう呼び方でも十分なのです。

子どもの頃から何度も床屋さんに通いながら、あの棒が何と言う名前なのか知らずに、またそんなことに一度も興味を持つことなく生涯を終える人もいるはず。

一方、有平棒を知ってしまったあなたは、有平棒を知っている人のグループに属してしまい、有平棒を知らない人のグループに戻ることは二度と出来ないのです。

そんなどうでもよいことを考えていると、いつのまにか夏の一日が終わっていきます。

smoko

この頃、仕事をしていると、頻繁に「ちょっと一服」したくなってしまいます。

一服といっても、タバコを吸う訳ではないので、大抵はコーヒーを一杯。仕事の区切りにコーヒーが欠かせなくなってしまいました。

そんな「ちょっと一服」を表わす、オーストラリア英語のスラング(Aussie slang)に smoko という単語があります。

smoko

(colloquial, Australia, New Zealand and nautical) A cigarette break from work or military duty; a brief cessation of work to have a smoke, or (more generally) to take a small rest, snack etc.

「Wiktionary」

オーストラリア英語のスラングには、この smoko のように[-o]で終わる名詞がたくさんあります。

例えば、ambo(=ambulance)、arvo(=afternoon)、bizzo(=business)などなど、どれもいかにも Aussie slang という響き。

仕事に疲れたら、

A:Smoko?
B:Yes!

という軽いノリで、休憩に持ち込んでしまうのはどうでしょう?

『ブルックリン・フォリーズ』ポール・オースター著

photo credit: the wood via photopin (license)

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ポール・オースターの『ブルックリン・フォリーズ』という小説を読みました。

心に残るとても素敵な小説だったので、簡単に紹介しておきます。

物語の語り手は59歳で元保険外交員のネイサン・グラス。

妻と別れ、仕事を引退し、肺ガンを患ったネイサンは、生まれ故郷のブルックリンに戻ってきます。

私は静かに死ねる場所を探していた。誰かにブルックリンがいいと言われて、翌朝ウェストチェスターから偵察に出かけていった。ブルックリンに戻るのは五十六年ぶりで、まったく何も覚えていなかった。私が三つのときにわが家はブルックリンを離れたが、私は本能的に、かつて一家で住んでいた界隈に帰っていった。傷ついた犬のように、生まれた場所へと這い戻っていったのだ。

P.3

死に場所を探しにやってきたブルックリンで、ネイサンを待っていたのはさまざまな人との出会いでした。

ネイサンの甥で、かつてはアカデミズムの世界で将来を嘱望されながら今は古書店員として働いているトム・ウッド、

物語の主要な舞台となるブライトマンズ・アティックという古書店を営むハリー・ブライトマン、

トムの姪で、謎めいた雰囲気の少女ルーシー。

『ブルックリン・フォリーズ』はそんな登場人物をめぐる一種の群像劇。

ネイサンがブルックリンに戻ってくることがなければ、決してつながることのなかった人たち、その人間模様がとても魅力的に描かれています。

また社会という規範から思いがけずはみ出してしまった、さまよえる人々を暖かく受け入れてくれるブルックリンという街もこの物語のもう一つの主人公なのかもしれません。

ややありきたりな言い方になってしまいますが、人の温かさ、生きる希望のようなものが、底の方にゆっくりと流れているそんな小説です。

何となく八方塞がりな気持ちになったとき、どうしようもないくらいの絶望に襲われたとき、静かにページをめくって、物語の世界に心を浸せば、いつのまにか思いがけない光が見えているかもしれません。

 

ブルックリン・フォリーズ
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