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日本語

雄々しい、女々しい

男らしい、女らしいという考え方が批判される社会。世の中がジェンダーフリーの方向へ進むことには基本的に賛成ですが、日本語にはそんな考え方と真っ向から対立するような表現も数多く残っています。

例えばこんな表現。

おおしい[雄々しい・▽男々しい](形)

(男らしくて)勇ましい。

「ー山容」

(↔女々しい)

「三省堂国語辞典 第七版」

めめしい[女々しい](形)

男でありながら(女のように)〈弱々しい/いくじがない〉。

「ー男だ」

(↔雄々しい)

「三省堂国語辞典 第七版」

雄々しいが褒め言葉なのに対して、女々しいはいわゆる貶し言葉。

現在の基準に照らせば、男尊女卑的と言われても仕方ないでしょう。

また雄々しいが人間以外のもの(例文の山容など)にも広く使われるのに対して、女々しいは主として人間の男性に使われます。

そのこともある意味では男尊女卑的と言えるのかもしれません。

言葉表現におけるジェンダーというのはなかなかややこしい問題です。このような表現に接すると「女々しくたっていいじゃないか!」と言いたくなるのですが、そういう問題ではないんですよね。

 
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佐佑

今日取り上げるのは「佐・佑」という漢字について。

「左・右」ににんべんを加えた「佐・佑」という漢字にはいったいどんなイメージがありますか?

佐は佐藤さんの佐、佑は佑樹くんの佑のように人名によく使う漢字という印象もあります。

この「佐・佑」について手元の漢和辞典にこんな説明が出ていました。

類義語【佐・佑ユウ

ともに助ける意。立場上、上にある者をおぎない助けるのを「佐」、下にある者を守り助けるのを「佑ユウ」という。

「全訳 漢辞海 第三版」

なるほど。「佐・佑」という漢字にはこんな意味があったんですね。

佐は補佐の佐ですから、上にある者を助けるという意味があるのはわかります。

ほさ[補佐・×輔佐](名・他サ)

主になってする人の仕事を助ける〈こと/人〉。

「課長ー」

「三省堂国語辞典 第七版」

たださきほどの説明によると「佑」という字にも「佐」と似たような意味、ただしこの場合は下にあるものを助けるという意味があるようです。

では補佐に対して補佑という表現はないのでしょうか?

調べてみると、三国には出ていなかったものの日国に出ていました。

ほゆう【補佑】

〘名〙 補いたすけること。補助。

「精選版 日本国語大辞典」

下にある者を助けるとは書かれていないので、補佑という表現にそのような含みがあるのかどうかはわかりません。

ただ日本語において補佐より補佑の使用頻度が少ないのは、日本人気質として上にはペコペコするのに下にある者を助けることが少ないから?などと想像してしまうのはうがった見方でしょうか。

 
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ホンとフォン(2)

先日[-phone]の付く英単語を外来語として日本語に組み入れたとき、ホンとフォンのどちらで表記するのかというテーマの記事を書きました。

ホンとフォン

このテーマをもう少し一般化すると、英語の f の音をカタカナでどのように表すのかということになります。

この表記方法に関する共通のルールはあるのだろうか?と思い、調べてみることにしました。

 

NHK ことばのハンドブック 第2版

『NHK ことばのハンドブック 第2版』の「外来語のカナ表記」には次のようなガイドラインが示されています。

16(ファ・フィ・フェ・フォ)(ハ・ヒ・ヘ・ホ

原音[fa・fi・fe・fo]は次のように扱う。

(1)原音に近く書き表す場合は「ファ・フィ・フェ・フォ」と書く。

〈例〉ファン fan、フィールド field、フェルト felt、フォークダンス folk dance

(2)慣用により「ハ・ヒ・ヘ・ホ」と書くものがある。

〈例〉ヘッドホン headphone

〈注〉「ファ・フィ・フェ・フォ」の発音は原音のような歯と唇を使った発音でなく、両唇を使った日本語としての発音で差し支えない。

NHK放送文化研究所編『NHK ことばのハンドブック 第2版』P.227

ここで示されているのは、原則としては「ファ・フィ・フェ・フォ」と表記するというガイドライン。

一部、慣用表現として「ハ・ヒ・ヘ・ホ」も認めるという扱いになっています。

 

内閣告示第二号「外来語の表記」

1991年の内閣告示第二号「外来語の表記」には次のようなガイドラインが示されています。

5 「ファ」「フィ」「フェ」「フォ」は,外来音ファ,フィ,フェ,フォに対応する仮名である。

〔例〕 ファイル フィート フェンシング フォークダンス

バッファロー(地) フィリピン(地) フェアバンクス(地) カリフォルニア(地)

ファーブル(人) マンスフィールド(人) エッフェル(人) フォスター(人)

注1 「ハ」「ヒ」「ヘ」「ホ」と書く慣用のある場合は,それによる。

〔例〕 セロハン モルヒネ プラットホーム ホルマリン メガホン

注2 「ファン」「フィルム」「フェルト」等は,「フアン」「フイルム」「フエルト」と書く慣用もある。

文部科学省ホームページ「外来語の表記」より

こちらもさきほどの『NHK ことばのハンドブック 第2版』と同じく、原則としては「ファ・フィ・フェ・フォ」、慣用表現として「ハ・ヒ・ヘ・ホ」を認めるというガイドラインになっています。

ここでは「ハ・ヒ・ヘ・ホ」を用いる慣用表現として次の5つの単語が例示されています。

セロハン モルヒネ プラットホーム ホルマリン メガホン

これを試しに「ファ・フィ・フェ・フォ」で表記してみると、こんな感じに。

セロファン モルフィネ プラットフォーム フォルマリン メガフォン

個人的な感覚ではモルフィネ、フォルマリンの表記にはやや違和感あり。その他はありかなという気がします。

いずれにせよ f →「ハ・ヒ・へ・ホ」というのはそれなりに歴史のある外来語に見られる表記であって、これから生まれる外来語には通常「ファ・フィ・フェ・フォ」を当てることになるのでしょう。

だとすると短縮から生まれたという例外的な事情があるにせよ、スマホのように最新のテクノロジーに「ホ」を使うというのは非常に珍しいケースなのかもしれません。

 

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ワイシャツ、カッターシャツ

ワイシャツの「ワイ」って何だろう?と考えたことのある人は多いのではないでしょうか。

国語辞書を引くと、次のように出ています。

ワイシャツ(名)〔ホワイトシャツ(white shirt)の変化〕

背広の すぐ下に着る、そでの長いシャツ。

表記 俗に「Yシャツ」とも書く。

「三省堂国語辞典 第七版」

ワイシャツの「ワイ」はアルファベットの Y ではなく white から来ているんですね。

たしかに white という単語をスピードをつけて英語らしく発音すれば「ワイ」に聞こえるのかもしれません。

また地域によってはワイシャツよりカッターシャツという名称に馴染みのある人もいるでしょう。

この場合のカッターシャツは cutter shirt なのでしょうか?

こちらも国語辞書を引いてみると、意外な語源が見つかりました。

カッターシャツ(名)〔もと、「勝った」の意味でつけた商標名。西日本方言〕

ワイシャツ。カッター。

「三省堂国語辞典 第七版」

カッターシャツの「カッター」は cutter ではなく日本語の「勝った」に由来するとのこと。

正直、この情報については「ホント?」と疑ってしまい、他の辞書やネットの情報も見て回ったのですが、どうも間違いないようです。

身の回りのものにも思いがけない語源が眠っているものですね。

 
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ホンとフォン

スマホ(名)

←スマートフォン。

「歩きーは危ない」

「三省堂国語辞典 第七版」

☆☆スマートフォン(名)〔smartphone〕

パソコンの機能をあわせもつ、多機能の携帯電話。スマホ。

「三省堂国語辞典 第七版」

スマートフォンの略称はなぜスマホなのでしょう?

スマートフォンを略せばスマフォですし、スマホを伸ばせばスマートホンになります。

過去にはスマフォ・スマートホンという表記も見たことがあるような気がしますが、今ではほぼスマホ・スマートフォンに固定されたといってよいでしょう。

そもそも英語の[-phone]をホンと読むのかフォンと読むのかは微妙な問題。

そのあたりを検証するため、辞書から「〇〇ホン、〇〇フォン」の見出し語をいくつかを拾ってみました。

イヤホン(名)〔earphone〕

機器の音声をひとりで聞くために、〈耳に当てる/さしこむ〉装置。イヤホーン。イヤフォン。

「三省堂国語辞典 第七版」

インターホン(名)〔interphone〕

玄関と室内などの通話に使う装置。インターフォン。インタホン。

「三省堂国語辞典 第七版」

キャッチホン(名)〔和製 catch phone= 商標名〕

通話中に別の電話がかかってきたとき、それまでの話し相手を待たせて、あとの人と話すことができる方式。割りこみ電話。

「三省堂国語辞典 第七版」

サクソフォ(ー)ン(名)〔saxophone〕

〘音〙ジャズ音楽の代表的な管楽器。筒の先にらっぱが曲がってついた形をしている。サクソホ(ー)ン。サキソホ(ー)ン。サキソフォ(ー)ン。サックス。

「三省堂国語辞典 第七版」

シロホン(名)〔xylophone〕

〘音〙いろいろの長さの木片を音階順にならべ、先に まるい たまのついた棒で打ち鳴らす楽器。木琴。シロフォン。

「三省堂国語辞典 第七版」

ドアホン(名)〔和製 door phone〕

玄関・門と部屋の中をむすぶインターホン。

「三省堂国語辞典 第七版」

ビブラフォン(名)〔vibraphone〕

〘音〙金属の板に共鳴用のチューブをつけ、電気で音を長くひびかせる打楽器。電気鉄琴。バイブ。

「三省堂国語辞典 第七版」

プッシュホン(名)〔和製 push phone〕

ボタンをおしてかける電話機。

「三省堂国語辞典 第七版」

ヘッドホン(名)〔headphones〕

ステレオなどをひとりで聞くために、頭にのせて耳に当てる装置。ヘッドフォン。

「三省堂国語辞典 第七版」

マイクロホン(名)〔microphone〕

音声を電気信号に変える装置。マイク。

「三省堂国語辞典 第七版」

メガホン(名)〔megaphone〕

口に当てて声を拡大する道具。

「三省堂国語辞典 第七版」

〇〇ホンの見出し語が9つ、〇〇フォンの見出し語が2つ。

ただ見出し語はどちらかで書いてあっても、もう片方も表記のゆれとして認めているケースがほとんど。

それでも個人的な感覚かもしれませんが、プッシュホンの場合はプッシュフォンという表記にやや違和感を覚えます。

それはプッシュホンが和製英語だからなのか、あるいはプッシュホンそのものが現在ではほとんど使われていなため過去の記憶としてホンに固定されてしまったからのか。

もし「ホン(過去の主流)→フォン(現在の主流)」という流れがあるのだとすれば、プッシュホンがプッシュフォンになることはないし、スマートフォンがスマートホンになることもないのでしょう。

その端境期を生きたものたちだけが、ホンとフォンの両方で呼ばれることを許される。。。そんな仮説は成り立つでしょうか?

 
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ゴウゴウ

今回は難易度の高い漢字の書き取り問題を一つ。

問、次の  線のカタカナを漢字に直せ。
1)非難ゴウゴウ
2)ゴウゴウたる水音

??

正解はこちら。

ごうごう[(×囂々)](形動タルト)

〔声・発言が〕やかましいほどに高くなるようす。

「非難ー」

「三省堂国語辞典 第七版」

ごうごう[(×轟々)](形動タルト)

〔音が〕大きくひびきわたるようす。

「ーたる水音」

「三省堂国語辞典 第七版」

同じゴウゴウで、意味も似ているのに二種類の漢字があるんですね。

囂々

轟々

声がうるさいゴウゴウには「口」が4つ、音がうるさいゴウゴウは「車」が3つ。

同じゴウゴウでもこんな風に書き分けるのが日本語の奥深さなのかなと思います。

 
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