フィンランド語学習記 vol.234 − 上へ、下へ
フィンランド語で「上へ」は ylös(ウロス)、「下へ」は alas(アラス)。
と覚えていたのですが、上下を表わす単語はこれ以外にもたくさんあるようだというのが本日のテーマ。
そのことを考えるきっかけになったのは、フィンランド語教室で使っている教科書に出てきた次の文。
Kun kone on ylhäällä, hän ei uskalla ollenkaan katsoa alas.
(飛行機が上にいる(=飛んでいる)とき、彼女は下を見る勇気が全くありません。)
* kone(飛行機)、uskaltaa(思い切ってやってみる)、ollenkaan(全く〜ない)、katsoa(見る)
(飛行機が上にいる(=飛んでいる)とき、彼女は下を見る勇気が全くありません。)
* kone(飛行機)、uskaltaa(思い切ってやってみる)、ollenkaan(全く〜ない)、katsoa(見る)
この文では「下を」は alas、「上に」は ylhäällä という形になっています。
??
「上に」は ylös ではダメなのでしょうか?
と思ったので、改めて『フィンランド語文法ハンドブック』を調べてみると、次のような単語のリストがのっていました。
alhaalla(下で/に) alhaalta(下から) alhaalle(下へ) alas(下へ) ali/alitse(下を通って) |
ylhäällä(上で/に) ylhäältä(上から) ylhäälle(上へ) ylös(上へ) yli/ylitse(上を通って) |
*『フィンランド語文法ハンドブック』P.209
これらの単語をよーく見ると、前に習った「接格・離格・向格」の形に似ています。
接格 | -llA | 〜の表面で/に | 静止点 |
---|---|---|---|
離格 | -ltA | 〜の表面から | 出発点 |
向格 | -lle | 〜の表面へ | 到達点 |
ここで最初の例文を改めて見てみましょう。
Kun kone on ylhäällä, hän ei uskalla ollenkaan katsoa alas.
(飛行機が上にいる(=飛んでいる)とき、彼女は下を見る勇気が全くありません。)
(飛行機が上にいる(=飛んでいる)とき、彼女は下を見る勇気が全くありません。)
この文では「上に」は静止点なので ylhäällä、「下を」は到達点なので alas という形になっているんですね。(視線が地面に到達するイメージ)
なるほど!と納得。
唯一の疑問は alhaalle と alas、ylhäälle と ylös の違いは何だろう?ということ。
例文を見る限り、alas と ylös の方が口語的でよく使われているイメージはあるのですが。。。さて。