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フィンランド語

「おじ・おば」の区切り方

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フィンランド語で「おじ」は eno(エノ)または setä(セタ)。

「おば」は täti(タティ)。

おじの方が二つあるのはなぜでしょう?

これは母方と父方で異なる単語を当てているため。

母方 父方
おじ eno setä
おば täti täti

 

母方のおじは eno、父方のおじは setä。

おばの方はどちらも同じ täti です。

英語や日本語では母方・父方の区別によって「おじ・おば」の名称を使い分けることはありませんが、フィンランド語ではこんな使い分けも必要になるんですね。

一方、日本語は長幼の序を重んじる言語。

おじ・おばが父母より年上の場合と年下の場合で異なる漢字を当てます。

年上 年下
おじ 伯父 叔父
おば 伯母 叔母

 

ひらがなで書いてしまえば、どちらも「おじ・おば」ですが、区別が必要なときには伯父・伯母を「はくふ・はくぼ」、叔父・叔母を「しゅくふ・しゅくぼ」と読むこともできます。

しかし法律の話をするときならともかく、話し言葉ではこの違いを意識することもないでしょう。

それでも書き言葉の中にこのような使い分けが残っているのは、おもしろいこと。

同じ「おじ・おば」であっても、言語によって「区切る」ポイントが異なるというのは興味深いですね。

フィンランド語学習記 vol.183 − 入格の作り方

photo credit: paul bica via photopin cc

photo credit: paul bica via photopin cc

フィンランド語教室63週目のレポート。

今回は入格の作り方を扱いました。まずは例文から。

Menen Helsinkiin(私はヘルシンキへ行きます。)
*menee(行く)

Helsinkiin はフィンランドの首都 Helsinki の入格の形。

[主格]Helsinki(ヘルシンキ)
[入格]Helsinkiin(ヘルシンキの中へ)

入格というのは、その字のとおり「〜の中へ」という意味を表すフィンランド語の格変化。

ヘルシンキへ行くということは、ヘルシンキという街の中へ行くということなんですね。

この入格の作り方は、フィンランド語の他の格とはやや異なります。

その手順を以下にまとめておきたいと思います。

 

1)語幹をもとめる

今回は以下の4つの単語を入格の形にしてみたいと思います。

talo(家)
Suomi(フィンランド)
maa(国)
huone(部屋)

まずはそれぞれの単語の語幹を求めるのが、最初のステップ。

語幹というのは、フィンランド語の単語を格変化させるためのベースになる形と思ってもらえればよいでしょう。

語幹をもとめる際には、以下のルールを適用します。

語末が[-i][-e]、子音以外のとき
→主格(辞書形)がそのまま語幹になります。

語末が[-i][-e]、子音のとき
→語末の変化が起こります。

それではさきほどの単語を一つずつ見ていきましょう。

talo(家)

語末が[-o]なのでそのまま。

talo → talo
Suomi(フィンランド)

語末が[-i]のときは[-e]に変わります。(外来語は除く)

Suomi → Suome
maa(国)

語末が[-a]なのでそのまま。

maa → maa
huone(部屋)

語末が[-e]のときは[-ee]に変わります。

huone → huonee

結果、次のような形になりました。

主格 語幹
talo talo
Suomi Suome
maa maa
huone huonee

 

2)入格の語尾を付ける

続いて入格の語尾を付けていきます。

これまでに習った格変化は、例えば内格なら[-ssA]、接格なら[-llA]というように格語尾の形が決まっていました。

しかし入格はこのように決まった形を持っていません。

以下に場合分けをしながら語尾の形を見ていきましょう。

 

2−1)語幹の末尾が1つの母音

語幹の末尾が1つの母音のときには、その母音を重ねて末尾に[-n]を付けます。

talo → taloon
Suome → Suomeen

 

2−2)語幹の末尾が2つの母音

語幹の末尾が2つの母音のときには、まずその単語が1音節か2音節以上かを確認。

1音節のときには、母音を重ねて末尾に[-n]を付け、重ねた母音の前に[-h-]を挟みます。

maa → maahan

2音節のときには、末尾に[-seen]を付けます。

huone → huoneeseen

以上の手順をまとめると、次のようになります。

主格 語幹 ( 語末のチェック) 入格
talo talo →(1つの母音)→ taloon
Suomi Suome →(1つの母音)→ Suomeen
maa maa →(2つの母音+1音節)→ maahan
huone huonee →(2つの母音+2音節以上)→ huoneeseen

 

ようやく入格の形ができあがりました。

taloon(家の中へ)
Suomeen(フィンランドの中へ)
maahan(国の中へ)
huoneeseen(部屋の中へ)

これでさまざまなものの中に入っていくことができそうです!

フィンランド語学習記 vol.182 − リーサの家、シベリウスのサウナ

photo credit: Kimmo Räisänen via photopin cc

photo credit: Kimmo Räisänen via photopin cc

本日はふたたびフィンランド語の語形変化の話。

まずは下記をご覧ください。

Liisa(リーサ)
Liisan talo(リーサ家)

フィンランド語では、単語の末尾に[-n]を付けると「〜の」の意味になります。

これは簡単。

それでは「シベリウスのサウナ」と言いたいときには、どのようなフィンランド語になるでしょうか?

Sibelius(シベリウス)
                     sauna(シベリウスのサウナ)

さきほどと同じように Sibelius-n としたいところですが、さすがにフィンランドが誇る大作曲家シベリウス。一筋縄ではいきません。

正解はこちら。

Sibelius(シベリウス)
Sibeliuksen sauna(シベリウスサウナ)

??

何だか変わった形になりました。

Sibelius のように語末が[-us][-ys][-Os]で終わる単語は、格変化の際に語幹が[-s]から[-kse]に変化することがあります。

なお Sibelius の属格を作る際のプロセスを細かく追跡すると次のとおり。

Sibelius 語幹をもとめる Sibeliukse
Sibeliukse [k, p, t]の変化なし Sibeliukse
Sibeliukse 格語尾[-n]を付ける Sibeliuksen

 

これはもちろん人名だけではなく、一般的な単語にも当てはまります。

[主格]kysymys(質問)
[属格]kysymyksen(質問の)

やや複雑ですが、とにかく語尾が[-us][-ys][-Os]の単語に注意しておけば大丈夫!

。。。と思っていたら、手元の『フィンランド語文法ハンドブック』に次のような記述が。

ananas「パイナップル」、lihas「筋肉」、teräs「鋼鉄」、aines「材料、資料」、vihannes「野菜」、jänis「ウサギ」、tennis「テニス」などのように、-as,  -äs,  -es,  -is で終わる語の中にも -s が -kse に変化するものがあります。

『フィンランド語文法ハンドブック』 P.56

こうしてみると、よく使う単語の中に[-kse]の仲間は意外と多いのかも。

そして tennis の属格は tenniksen(テンニクセン)になるのですね。これも何だか奥深し。

バターの花、ライオンの歯

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photo credit: Dawn Endico via photopin cc

フィンランド語で「タンポポ」は voikukka(ヴォイクッカ)。

voi は「バター」、kukka は「花」の意味。

「バターの花」というのは、おそらくタンポポの色からの連想なのでしょうか?

何だか食欲をそそるような名前ですね。

一方、英語で「タンポポ」は dandelion(ダンデライオン)。

これは「ライオンの歯」という意味のフランス語に由来するのだとか。

dandelion (n.)

early 15c., earlier dent-de-lioun (late 14c.), from Middle French dent de lion, literally “lion’s tooth” (from its toothed leaves), translation of Medieval Latin dens leonis.

『Online Etymology Dictionary』

タンポポのギザギザした葉をライオンの歯に見立てたということのよう。

花ではなく、葉の方から名付けるというのは何だか意外ですね。

それでは日本語の「タンポポ」はどのような由来の単語なのでしょう?

タンポポはもと鼓を意味する小児語であった。江戸時代にはタンポポはツヅミグサ(鼓草)と呼ばれていたことから、転じて植物もタンポポと呼ばれるようになったのが通説であるが、その他にも諸説ある。

Wikipedia「タンポポ」より

「タンポポ」は、タンタン、ポンポンと鼓を叩く音から来ているという説。

そう言われてみると、タンポポというのはとてもリズミカルな単語だということに気付かされます。

同じ花が、バターになったり、ライオンの歯になったり、鼓を叩く音になったり、人間の想像力というのはおもしろいものだなあと思います。

フィンランド語学習記 vol.181 − 曜日と日付の尋ね方

photo credit: RobW_ via photopin cc

photo credit: RobW_ via photopin cc

ある日のフィンランド語教室にて。

先生がふと一言。

Mikä päivä tänään on?[ミカ パイヴァ タナーン オン]

mikä は「何」、päivä は「日」、tänään は「今日」の意味なので、そのまま訳せば「今日は何の日?」となります。

これを聞くと「えーと、今日は23日」などと日付を思い浮かべてしまうのですが、実際には曜日を尋ねるときのフレーズです。

Mikä päivä tänään on?(今日は何曜日ですか?)
Tänään on keskiviikko.(今日は水曜日です。)
*keskiviikko(水曜日)

日本語では、曜日を尋ねるとき、必ず曜日という単語を付けて「何曜日?」と言います。

そのため、曜日という単語のないフレーズから、ぱっと曜日を連想するのがなかなか難しいような。(自分だけ?)

それでは日付を尋ねるときには、どのように言えばよいのでしょうか?

Monesko päivä tänään on?(今日は何日ですか?)
Tänään on kahdeskymmeneskolmas päivä huhtikuuta.(今日は4月23日です。)
*monesko(何番目の)、kahdeskymmeneskolmas(23番目の)、huhtikuu(4月)

こちらはそのまま訳せば「今日は何番目の日?」の意味。さきほどの曜日と比べればわかりやすい表現ですね。

一方、日本語では、日付を尋ねるとき、○番目という表現は使わず「何日?」と言います。

そのためフィンランド語の母語話者は、日本語の「何日?」という表現から、もしかしたら曜日を連想してしまうのではないでしょうか。

もう一度、整理すると、

フィン
曜日 Mikä päivä tänään on?
(今日は何の日ですか?)
今日は何曜日ですか?
日付 Monesko päivä tänään on?
(今日は何番目の日ですか?)
今日は何日ですか?

*(  )内は逐語訳

こうして見ると、フィンランド語の曜日の尋ね方と日本語の日付の尋ね方は似ているなあという印象。いや似ているというより、全く同じですよね。

これは混乱するのも納得。と腑に落ちました。

週の真ん中には何がある?

photo credit: [ changó ] via photopin cc

photo credit: [ changó ] via photopin cc

フィンランド語の曜日の名前は次のとおり。

maanantai(マーナンタイ)
tiistai(ティースタイ)
keskiviikko(ケスキヴィーッコ)
torstai(トルスタイ)
perjantai(ペルヤンタイ)
lauantai(ラウアンタイ)
sunnuntai(スンヌンタイ)

 

水曜以外の語尾はすべて[-tai]で揃っています。

しかし水曜の keskiviikko(ケスキヴィーッコ)だけは違う形。

先日のフィンランド語教室で、なぜ水曜だけ綴りが違うのか?という話題が出ていました。

以下は先生のお話から。

まず水曜以外の maanantai, tiistai… は外来語なのだとか。

そう言われてみると、英語の Monday, Tuesday… に雰囲気は似ています。

それに対して、水曜の keskiviikko はフィンランド語で「週の真ん中」という意味。

*keski(真ん中)、viikko(週)

水曜だけは具体的な意味のある単語なんですね。

先生曰く、ドイツ語も同じような構造になっているとのこと。

気になったので調べてみました。

Montag
Dienstag
Mittwoch
Donnerstag
Freitag
Samstag
Sonntag

 

ドイツ語の場合、水曜以外の語尾はすべて[-tag]で揃っています。

しかし水曜の Mittwoch(ミットヴォッホ)だけは違う形。

これもフィンランド語の Keskiviikko と同じで「週の真ん中」という意味なのだとか。

ドイツ語やフィンランド語以外の言語はどうなのだろう?と思い、考えてみると、英語にも「週の真ん中」という単語があることに気付きました。

midweek

週の半ば

『ウィズダム英和辞典 第3版』

もちろんこちらは曜日を表す単語ではないものの、語源は同じラテン語なのだとか。

もともと一つの単語が、ある言語では特定の曜日になり、別の言語では漠然とした時期を示す。これもまたおもしろい現象だと思いました。

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