フィンランド語学習記 vol.61 − もちろん
フィンランド語で「もちろん」は tietenkin(ティエテンキン)。
と思っていたら、テキストに tietysti という単語が出てきて、こちらも「もちろん」の意味なのだとか。
先生曰く「フィンランド語には5〜6個くらい、もちろんという単語があるよ!」とのこと。
気になったので、手元の辞書を調べてみると、
- tietenkin
- tietenkään
- tietysti
- toki
- totta kai
と5つの単語が出ていました。
tietenkin と tietenkään は、それぞれ of course と of course not に当たるようです。
Wiktionary によると、tieten は knowingly(承知の上で)の意味なのだとか。
その他も異なる単語である以上、何らかの意味・用法の違いはあるのでしょうが、今のところそこまではわかりません。
などと「もちろん」のことを考えていたら、日本語のもちろんというのはどんな語源だったかな?と気になったので、調べていたら、偶然こんな動画を見つけました。
何と英語で日本語のもちろんの語源を解説してくれています。素晴らしい!
一応、辞書の語義ものせておきます。
もちろん[勿論]
( 副 )
〔「論ずる勿(なか)れ」の意から〕
議論をするまでもなく,すでに結論は決まっているという気持ちを表す。言うまでもなく。むろん。 「 -出かける」 「英語は-のことフランス語もできる」大辞林 第三版(三省堂)
なおフィンランド語にはもちろんがたくさんあるということですが、日本語にも「元より、当然」などの類義語はあります。
これらの単語は『使い方の分かる類語例解辞典』(小学館)によると、こんな使い分けがあるようです。
もちろん | 元より | 当然 | |
---|---|---|---|
計画の失敗は〜覚悟の上だ。 | ◯ | ◯ | ◯ |
与党は〜野党も賛成した。 | ◯ | ◯ | × |
引き受けてくれるかい。〜だ。 | ◯ | × | ◯ |
不当な扱いには怒るのが〜だ。 | × | × | ◯ |
日本語ネイティブの私たちにとっては、この使い分けは特に意識することなくできるものです。しかし日本語を外国語として学んでいる人にとっては、×のところがなぜ×なのか、アタマで覚えなければならないので、かなり大変なのではないでしょうか。
だとすれば、フィンランド語の「もちろん」の使い分けもノンネイティブにとってはハードルが高いのかもしれません。